日本列島に暮らす上で知っておきたい自然現象をひもといたポスター「身近な現象から知る地球 自然と生きる列島」が完成し、文部科学省が公開した。学習資料として毎年作成する「一家に1枚」シリーズの第22弾。19日まで開催中の科学技術週間に合わせたもので、気象や火山、地震の基礎知識を中心に、それらを捉える技術、災害から人々を守るインフラなどを紹介している。
ポスターは山や海、街、空、地下、宇宙空間が広がるパノラマイラストをメインに構成。雨や雷、火山、海流、オーロラ、地震などが“そもそも”どんなものかを平易に説明している。雪の結晶と種類や雪国の暮らし、水蒸気噴火とマグマ噴火の仕組み、ジオパークといった、やや踏み込んだトピックも加えた。気象レーダーやライブカメラ、水位計、人工衛星、調査船など、観測や警戒に役立つ設備や機材も描き込んだ。
右には「自然現象と科学技術」と題し、気象レーダーの仕組みや地震の揺れを再現する装置などを解説。「『観測』や『実験』のデータがあるからこそ、科学技術に裏打ちされた『対策』を行ったり、自然の力を有効活用できたりします」と結んだ。
地球関連ではこれまでも2013年の「鉱物」のほか、「日本列島7億年」「南極」「海」が制作されてきた。「海の日」施行30周年、「山の日」施行10周年の節目でもある今年は、生活に身近な事象を集約した一枚となった。これを機に自分の住む地域の地形や気候に改めて目を向けたり、危険な場所や避難情報をまとめた「ハザードマップ」を見直したりと、関心が膨らみそうだ。さらに詳しい説明や実験の動画を掲載した、特設サイトのQRコードも掲載している。
「一家に1枚」は2005年の「元素周期表」を皮切りに文科省が毎年、作成しているもの。シリーズ化して「ヒトゲノムマップ」「光マップ」「タンパク質」「量子と量子技術」など22枚が公開中だ。「大人から子どもまで部分的にでも興味を持たせるもの」「見た目がきれいで、部屋に張っておきたくなるもの」「基礎的、普遍的な科学知識を中心とするもの」「身近な物や事象との関連付けをして、親しみを持てるもの」を基本コンセプトとしている。
新元素「ニホニウム」の発見やゲノム研究の進展など、公開後の状況変化に応じ改訂しているのも特徴だ。「宇宙図」は「宇宙図2024」へと更新しており、また「元素周期表」は先月、14版の公開に至っている。2023年に公開した「ウイルス」はその後に英語版も作成するなど、外国語に対応したものもある。
今年も新作の「身近な現象から知る地球」を全国の学校に配布した。インターネットの文科省「科学技術週間」のページからPDFファイルをダウンロードして利用できるほか、同週間に合わせ、協力する全国約670の科学館や博物館、研究機関、図書館などが配布している(なくなり次第終了)。
科学技術週間は1960年に制定。今年も各地の施設が講演会や実験教室、企画展、見学会などを実施する。松本洋平文科相は7日の会見で同週間とポスターを紹介し「多くの国民の皆様が科学技術に触れ、興味を持っていただければ」と述べた。
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