【経済産業省】本州と九州の送電網結ぶ 「関門連系線」を増強へ

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は10月、本州と九州の送電網を結ぶ「関門連系線」の増強計画を発表した。総工費4400億円超を投じて運用容量を約100万キロワット上積みし、300万~350万キロワット前後にする。九州で余っている太陽光発電などの再生可能エネルギーを全国で有効活用するのが狙い。運用開始は2038年度末の予定だが、用地交渉の期間を短縮するなどして36年度への前倒しを目指す。

 OCCTOは電気事業法に基づく認可法人。11年3月の東京電力福島第1原発事故後の電力不足の反省を踏まえ、全国の電力需給を調整する「司令塔」の役割を果たす。

 今回の増強計画を策定するきっかけとなったのは、22年7月に行われた政府からの要請だ。日差しに恵まれる九州では、以前から太陽光発電施設の建設が進んできた。ただ、本州に向けて電力を融通する関門連系線の容量は十分でなく、九州電力管内の電力供給は需要を超過。太陽光発電施設は出力制御を余儀なくされ、新たな施設建設をためらう事業者も多かった。

 経済産業省は、関門連系線について「更なる再エネの導入のためには、容量の増強を検討することが不可欠」と判断、OCCTOに対応を求めた。今回の増強で、全国の電力需給をより柔軟に調整できるようになる。電力の供給不足の緩和や停電の減少に加え、燃料費や二酸化炭素(CO2)排出量を抑制する効果も見込まれている。

 関門連系線では現在、関門海峡の鉄塔間の送電線で電力を送っているが、増強分は新たに海底に設置する電力ケーブルが担う。将来的にはさらに100万キロワットの容量上積みも見込む。工事費に関しては、電力会社の負担などを通じ、最終的には利用者に「電気料金の形ですべて負担してもらう」(OCCTO担当者)という。

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