伊藤忠商事が電通総研にTOB デジタル領域の強化を図る

伊藤忠商事(石井敬太社長)は電通グループと戦略的提携を行い、電通グループの上場子会社・電通総研に株式公開買い付け(TOB)を実施する。現在、電通総研は親会社の電通グループが61.78%の株式を保有している。伊藤忠は残りの38.22%を取得する考えで、買付総額は最大2152億円。伊藤忠グループはITサービス・リテールメディア(小売り広告)領域の強化を目指す考えだ。 

 近年はAI(人工知能)をはじめとするデジタル技術が急速に進化。デジタル活用は企業競争力を左右する大きな要素となりつつある。そうした中、伊藤忠グループが持つ幅広い顧客基盤と、電通グループが持つ広告・マーケティング分野における知見や顧客接点を掛け合わせ、新たな価値創出を図るという。 

 具体的にイメージできるのが、リテールメディア(小売り広告)領域の強化。 

 伊藤忠は近年、グループのコンビニ・ファミリーマートの店舗内にデジタルサイネージ(電子看板)を設置し、来店客にお買い得商品などの情報を配信。毎日1500万人超の来店客に新たな購買行動を促しており、「両社の強みを融合し、購買データを起点とした広告・マーケティングの高度化を加速する」(同社)のが狙いだ。 

 商社のデジタル強化を巡っては、住友商事が今年3月、8800億円を投じて完全子会社化。AIを活用した新たなビジネスモデルの構築を目指している他、三菱商事はKDDIと連携してローソン店内でデジタルサイネージを活用したコンテンツ配信サービスを強化している。 

 伊藤忠は2023年に約3800億円を投じて、伊藤忠テクノソリューションズを完全子会社化した。今回の電通総研への出資はその流れに続くもの。デジタル領域の強化に突き進む伊藤忠商事である。

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