
恒例の『財界賞』『経営者賞』の選考委員会が11月4日(火)、午前11時30分から東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で行われ、令和7年度の授賞者が、次のように決まりました。授賞理由は次の通り。(敬称略)
『財界賞』
三菱UFJフィナンシャル・グループ 社長 亀澤 宏規
新時代の金融機関像をつくり上げようとしていることが評価された。先人達による米投資銀行・モルガン・スタンレーへの出資、アユタヤ銀行の子会社化などで築いた海外事業をさらに深耕。連結純利益で初の2兆円台を見通し、時価総額、預金量では日本の金融機関で最大となるなど、金融グループとしての信用・信頼を積み重ねている。また、個人向け総合金融サービス「エムット」の開始、AI活用による「AIネイティブ」な会社を目指していることも評価された。
『財界賞特別賞』
日本生産性本部名誉会長 (キッコーマン取締役名誉会長) 茂木 友三郎
日本生産性本部会長として、日本の生産性向上に尽力。「付加価値の高いものを適正価格で」と産業界に訴えてきた。さらに令和国民会議(令和臨調)では、共同代表として産官学と連携し、日本社会の発展に向け政策提言などを行っている。また、しょうゆを中心に食品事業を手掛けるキッコーマンは、60年以上前からいち早くグローバル市場の開拓に着手。現在の多くの日本企業の手本ともなる、現地と共存共栄のビジネスを展開している点が評価された。
『経営者賞』
住友林業会長 市川 晃
世界的な気候変動が進む中、再生可能な資源である「木」が持つ可能性を生かした、持続可能な社会を目指した経営を進めている。「木」を軸にしたバリューチェーン「ウッドサイクル」をグローバルに展開し、世界で脱炭素に貢献することを目指している。また、国内だけでなく海外でも戸建て住宅事業を展開し、米国ではトップ10に入る規模にまで成長させた。また、経済同友会での活動など、日本経済全体を見据えた発信を展開してきたことも高く評価された。
『経営者賞』
フジクラ社長 岡田 直樹
生成AI(人工知能)の普及・拡大に伴い、データセンター向けの光ファイバーケーブル需要が増加し、4期連続で最高益を更新。売上高では3位ながらも、時価総額では首位・住友電気工業を上回るなど、〝電線御三家〟の一角として成長している。岡田氏自身も研究開発畑の出身で、1885年(明治18年)の創業以来、140年にわたり培ってきた『技術のフジクラ』と『進取の精神』を受け継ぎ、最先端技術の開発で牽引している姿が高く評価された。
『経営者賞』
染めQテクノロジィ代表取締役 菱木 貞夫
高度経済成長期に建設された建物や道路、橋、下水道などの社会インフラの老朽化が社会課題となる中で、腐食・欠損した構造物を壊さずに塗布するだけでサビを止め、さらにはその構造物の強度も高める技術を開発。財政難でインフラの建て替え資金の確保に悩む自治体や民間企業の工場や店舗などの補修・補強にも対応している。新たな構造物をつくる時代からメンテナンスする時代にあって、持続可能なソリューションを提供している点が評価された。
『経営者賞』
中央葡萄酒 社長 三澤 茂計 取締役 三澤 彩奈
創業は1923年、山梨県勝沼で「長太郎印葡萄酒」の販売を開始し、「甲州」ワインを国内外に広めてきた。1985年のプラザ合意後の円高環境下、欧米市場の開拓に努めるなど地域を巻き込んでの品質向上に尽力。これが今日、世界でも認められている日本ワイン・「甲州ブランド」の礎となった。2014年に日本初、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードの金賞特別賞受賞。醸造家で取締役の娘・彩奈さんとともに、親子二人三脚で経営を行っている点も評価された。
『経営者賞』
Sakana AI CEO デイビッド ハ COO 伊藤 錬
2023年の創業から1年程度で企業価値が約11億ドルを超え、「日本最速ユニコーン」として注目されている。日本の3メガバンクやソニーグループ、NTT、米エヌビディアなどが注目して出資している。欧米勢が大規模開発を進めているのに対して、複数の小規模なAIモデルを組み合わせ、新たな基盤モデルを自動的に生成する「進化的モデルマージ」という、従来とは違うアプローチで開発を進めてAIの可能性を追求していることが評価された。
財界賞・経営者賞 選考委員
伊藤 邦雄氏 (一橋大学CFO教育研究センター長)
北畑 隆生氏 (元経済産業事務次官・開志専門職大学名誉学長)
熊谷 亮丸氏 (大和総研副社長兼副理事長)
小林 いずみ氏 (みずほフィナンシャルグループ取締役会議長)
小宮山 宏氏 (三菱総合研究所理事長・第28代東京大学総長)
首藤 若菜氏 (立教大学経済学部教授)
村田 博文 (司会兼任・総合ビジネス誌『財界』主幹) (敬称略、五十音順)








