
創業者の「モノづくり精神」を 受け継いでいく
業界全体で資材価格高騰の影響が大きく出ています。各社とも住宅の売価を上げざるを得ない状況です。買い手であるお客様にとっては金利上昇と、賃金がなかなか上がっていかない状態が続いています。このことは着工棟数の減少につながります。
ただ、我々の強みは、創業者である宮沢俊哉(現会長)が培ってきたコストパフォーマンスの追求です。その意味で、こうした厳しい環境はむしろチャンスではないかと捉えています。
我々は「木造」にこだわって事業を進めていますが、注目度、人気の高まりを実感しています。価格や品質をご評価いただけているだけでなく、環境に貢献しているという意識を皆さんが持っていることが大きいと思います。
私は今年、社長に就任しました。当社は1978年の創業で、これまでの歩みの中で「木造建築の復興」を目指して技術開発などを進めてきました。これをしっかり引き継いでいくことが重要な使命です。
創業者と同じことはできませんが、仲間たちと力を合わせて取り組みます。創業者は元大工ですから、「モノづくり精神」を大事にしてきました。私も「人」と「技術」を何よりも大事にして経営していきます。
当社の主力事業は注文住宅です。その品質を重視することは大前提としながら、市場を広げていきます。
強みはやはり技術です。我々が開発した「AQダイナミック構法」は、専用の高倍率耐力壁などを用いて、耐震性を確保しながら大空間に対応したものです。住宅の品質を高めると同時にコストパフォーマンスにも優れた、唯一無二の技術だと自負しています。
同時に、この「AQダイナミック構法」で戸建て住宅を建築する外部組織「アキュラホームFC」と、ボランタリーチェーンの「AQビルダー」によって、木造住宅の普及を進めています。
もう1つ、我々は中大規模木造建築物にも注力しています。24年3月には、純木造8階建ての新本社ビルを竣工し、その技術を実証しました。 技術の普及に向けて、25年9月、中大規模木造建築のオリジナル技術「AQ木のみ構法」を担う外部組織「中大規模木造建築 共創〈ともつく〉ネットワーク(ともつくネット)」を立ち上げました。同じ志を持つ地場建築企業と連携し、地域材も活用して活性化につなげていきます。
まだ、木造は耐火性、耐久性、遮音性に課題があるのではないか?という疑問を持たれる方もおられますが、我々はその性能について、理論だけでなく実証してきました。国が求める最高レベルの耐震性能、耐火性能、さらにはRC造に遜色ない遮音性を実現しています。
当社の物件は投資用としての需要も高まっています。投資家の方々は、木造の社会的意義について高い意識を持たれており、「木造だから投資する」と言われることが増えています。
2028年には、当社は創業50周年を迎えます。創業者のDNAは今後50年、100年に向けて受け継いでいくべきものだと考えています。当社の伝統は「モノづくりは人づくり」だということです。人材に投資をし、育てていくこと、技術、研究開発に投資し続けることで初めて、お客様に豊かな暮らしを提供することができるのだと思います。
さらに、オリジナル技術である「AQダイナミック構法」、「AQ木のみ構法」が国内で評価されていけば、海外での普及というチャレンジもできるようになります。そのことによって、良質な建物を世界に広げていくことが、次の目標になります。
PROFILE
かとう・ひろあき 1967年12月埼玉県生まれ。86年都興営繕(現AQグループ)入社。2016年執行役員、23年常務執行役員、24年取締役住宅事業本部長、25年3月代表取締役兼社長執行役員。