
20年以上と歴代トップで最長の海外経験
「最近は世界第2位が定位置になりつつある。私は2031年の創立100周年を世界ナンバーワンで迎えたい。ナンバーワンで迎えなければならないという強い思いと覚悟を持って、ここに立っている」─こう話すのは、ブリヂストン次期グローバルCEO(最高経営責任者)の森田泰博氏。
2025年10月23日、ブリヂストンはトップ交代を発表した。26年1月1日付でグローバルCEOには副社長の森田氏が昇格、現CEOの石橋秀一氏は25年12月31日付で代表執行役を退任、26年3月の株主総会を経て取締役も退任する。
森田氏は1972年12月愛知県生まれ。96年上智大学経済学部卒業後、ブリヂストン入社。24年常務役員、25年代表執行役副社長に就いていた。
森田氏は、2020年にスタートしたブリヂストンの次世代経営人材育成プログラムの第1期選抜メンバーだった。「就任時には53歳と若く、圧倒的な行動力のある人材」と石橋氏。初代の石橋正二郎氏、2代目の石橋幹一郎氏を除くと歴代トップで最も若く、20年以上の最も長い海外経験を持つ。
現在の世界トップは長年のライバルである仏ミシュラン。さらには低価格を武器に中国勢が攻勢を続けているのが現状。石橋氏はこの状況下、生産拠点再編や、事業再構築を進めてきたが、それに目処を付けた形。
その流れを引き継ぐ森田氏は「成長の柱は3本」と話す。それは魅力的な商品とモノづくり、グローバルポートフォリオ、そしてブランド。欧州、米国、中国とタイヤメーカーが乱立する中で、引き続きタイヤが主力のブリヂストンとしては、いかに魅力的な商品を生み出すかが最重要課題。「質の伴った成長を続け、再びナンバーワンを目指していく」(森田氏)
学生時代に自動車部だった森田氏は、根っからのタイヤ、クルマ好きで、実際のサーキットで車を走らせることもある。そして自らを「現場人間」とする森田氏。世界の現場を飛び回り、社員と共に汗をかくという経営スタイルで、世界のライバルとの競争に臨む。