
エディオンは事業の親和性が高い
─ エディオンとの経営統合を決めたヤマダホールディングスですが、改めて、その狙いを聞かせてもらえますか。
山田 これは時代の変化と言いますか、決断せざるを得なかったと言いますか、わたしは必然性があったと考えています。
この10年くらいの間に社会は大きく変化しました。少子高齢化、人口減少、デジタル化といった変化がある中で、1社だけでは生き残れない状況になっています。
【 370兆円の官民投資の虚像 】ABC経済研究所 代表エコノミスト・熊野英生
家電量販店業界そのものもシュリンク(縮小)していて、最近はわれわれも衣食住の「住」の部分を強化してきました。家電販売をコアにしながら、いかに家電以外の事業領域を発展させていくか、ということをやってきたわけです。
─ いわゆる、『くらしまるごと』戦略ですね。
山田 ええ。これを実現するためには、当社単独ではなく、どこかと手を組む必要があるのではないか。そういうことをずっと考えていまして、エディオンさんはリフォームやリサイクル事業に注力しており、『くらし』を軸としているという意味では、事業の親和性が非常に高いと。
特に近年は循環型社会だとか環境に優しい取り組みが必要とされている。そういう中で、両社の強みをもって事業を発展させていくことができれば、さらなる成長を図ることができるのではないか。また、商品開発の面でも力を合わせてやっていった方がスピードアップできるのではないか。
そういうことで、十数年前からエディオンさんとはお互いに話をしてきまして、今回いよいよ、そのタイミングが来たということです。
─ お互いに危機感を共有したと言ってもいいですか。
山田 それはそうです。文化や経営方針、経営理念が一致しないと経営統合はできません。
やはり、家電を中心に衣食住の住に特化してやっていけば、事業領域は発展性がある。家電があって、住宅があって、リフォームもあれば、家族3世代を取り込むことができます。『くらし』に関して、あらゆるニーズにお応えするビジネスというのは、お客様にとってみれば非常に便利ですよね。全部一カ所で完結できるんですから。
当社には約3000万人の会員がいて、エディオンさんにも約500万人の会員がいます。一部は重複もありますが、この会員プラットフォームを活用すれば、いろいろな事業やサービスを展開することができます。
─ しかし、規模でいうとエディオンはヤマダの半分くらいですよね。今回は「対等統合」ということですが、この辺はどういう考えですか。
山田 メディアの皆さんは、そこばかり聞いてきますけどね(笑)。やはり、今回は救済が目的ではないですから、組織や人事を含めて対等にやっていきましょうと。
発展性を考えた統合なので、「相互信頼及び対等統合」を基本にしたということです。
当社はこれまでの成長過程において、M&A(合併・買収)を結構やってきました。その中で、わたしは人材を公平に見てきました。
─ 分け隔てなく。
山田 ええ。分け隔てなく、公平に。公平でないと不満が出ますから。
わたしは全てを公平に見て、組織の交流、人材の交流を活発に行ってきました。普通なら……。