JSRとIBMは11月4日、化学産業に特化したAIの共同研究プログラムの開始にあたり、共同研究契約(Joint Research Agreement)を締結したと発表した。両社は、材料開発に特化した基盤モデルの拡張や生成AIなどの活用によるデータ活用基盤の整備等を通じて、多様な材料システムを統合的に運用するプラットフォームを構築するとともに、多種多様な材料表現を理解・モデル化するためのナレッジ構築に向けた共同研究を進めていく予定だ。
各社のコメント
これまで、両社は四半世紀にわたりAI研究を含むさまざまな共同研究を行っている。日本IBM 執行役員 研究開発担当 兼 東京基礎研究所長の福田剛志氏は「JSRとの長年にわたる協業の歴史をさらに発展させられることを大変嬉しく思います。材料科学におけるJSRの数十年に及ぶ知見と創意工夫に、IBMのAI分野での専門性と洞察力を融合させることで、新たな発見を引き出し、次世代材料の開発を加速させていきたいと考えています」と述べている。
また、JSR 上席執行役員 電子材料事業、次世代研究(DS/MI等)担当の木村徹氏は「デジタル技術と材料科学の融合は、これまでにない価値を生み出す大きなチャンスです。本共同研究を通じて、革新的な材料開発の加速を実現し、業界全体の発展に貢献してまいります」と述べている。