欧州でのシリコンフォトニクスの取り組みが本格化
STMicroelectronicsが主導する形で、300mmウェハを用いた次世代シリコン・フォトニクス(SiPho)技術の確立を目指す「STARLight(300mm Silicon Technology for Applications Relying on Light with Photonics Devices)コンソーシアム」がEC(欧州委員会)によりEU CHIPs共同事業(EU CHIPS Joint Undertaking)のイニシアティブとして選出された。
シリコン・フォトニクスは金属配線を超える高速通信を実現するための要素技術として考えられているが、そうした先端フォトニクス集積回路(PIC)の開発にあたっては、1レーンあたり200Gbpsを超える速度で動作可能な高効率モジュレータの製造、効率と信頼性の高いオンチップレーザーの開発、SOIをはじめとする複数の材料を1つのプラットフォーム上に集積する技術などを生み出していく必要があるとされている。
複数のアプリケーションでのイノベーション実現を目指す
同プロジェクトは、アプリケーション別のイノベーション実現を目指しており、例えばデータセンター/データコムでは、STがAWSなどと協力して開発する最新のシリコン・フォトニクス技術であるPIC100に基づいて、最大200Gb/sを処理するデータセンター向けデータ通信デモンストレータの構築を初期の重点目標としているとする。また、宇宙と地上の両方における通信に向けて、自由空間光伝送システムのプロトタイプの開発も行うとする。
またAI分野では、テンソル演算(行列のベクトル乗算、積和演算など)向けに最適化された最先端フォトニック・プロセッサを開発し、サイズやデータ処理速度、消費電力に関して、既存技術に対して上回ることを目指しているとしている。
このほか、テレコム分野では、テレコム特化型シリコン・フォトニクス・デバイスを開発する計画として、EricssonがRAN(無線アクセスネットワーク)内での光通信の負荷を軽減するスイッチを集積する技術開発と、光ファイバ上の無線(RoF)技術研究に基づく消費電力の大きいASICをアンテナユニットから離れた場所に配置し直すことで、容量の増大ならびにCO2削減を図ることを目指すとする。
加えて自動車/センシングでは、Thalesが主要機能を実証することを目的に複雑な波形を持つ信号を高精度で生成、送信、検出、処理するセンサを開発するとしている。
STARLightには11か国から24社・団体が参加
なお、同プロジェクトに参画するのはSTのほか、11カ国からテクノロジー企業や大学が24社・団体が参加。STでは、独自開発した新しいシリコンフォトニクス技術を通じて、複数の複雑な部品を1つのチップに集積する能力をコンソーシアムに提供していくとするほか、IDMとしてシリコンフォトニクスのイノベーションを強化し、自社の300mmプラットフォームでの量産を進めていくとしている。
参加24団体・企業
- Aixscale Photonics
- Almae Technologies
- Ansys
- Aristotelio Panepistimio Auth El Y Thessalonikis
- Commissariat A L’energie Atomique Et Aux Energies Alternatives
- Design And Reuse
- Ericsson
- Helic Ansys Ellas Monoprosoph Ae
- III-V Lab
- Interuniversitair Micro-Electronica Centrum
- Keysight Technologies
- Knowledge Development For Pof Sl
- Lumiphase
- Mbryonics
- NVIDIA
- Ncodin
- Rheinisch-Westfaelische Hochschule Aachen Technische
- Sicoya
- Soitec
- SteerLight
- STMicroelectronics
- Thales
- Universita Degli Studi Di Pavia
- Universite Paris-Saclay