321層の2TB QLC NANDの量産を開始

SK hynixは8月24日、321層2TB QLC NANDの開発を完了し、量産を開始したことを発表した。グローバルな顧客検証を経た後、2026年上半期の製品リリースを予定しているという。

  • SK hynixの321層2TB QLC NANDフラッシュメモリ

    SK hynixの321層2TB QLC NANDフラッシュメモリ (出所:SK hynix)

大容量NANDにおける潜在的なパフォーマンス低下に対処するために、チップ内の独立した演算ユニットであるプレーンの数を4から6に増やしたとしており、これにより並列処理能力が向上し、同時読み出し性能が向上したという。このプレーンは、1つのチップ内で独立して動作可能なセルとその周辺回路を指したもので、プレーン数を4から6に増やすことで、データ処理の重要な要素であるチップの同時読み出し性能が向上することとなる。

321層技術はPC用SSDからエンタープライズSSDまで幅広く活用

この結果、開発された321層QLC NANDでは、従来のQLC NAND製品と比較して、大容量化と性能向上の両方を実現できたとしている。具体的には、データ転送速度が2倍、書き込み性能が最大56%、読み出し性能が18%向上したとするほか、書き込み電力効率も23%以上向上しており、低消費電力が不可欠なAIデータセンターにおける競争力を強化することにもつながると、HBMとともにAIデータセンターでの活用に向けた拡販を進めたいとしている。

なお、同社では開発された321層NAND技術を、まずPC用SSDに適用した後にデータセンター向けエンタープライズSSD(eSSD)やスマートフォン向けUFSへと展開していく計画としており、32個のNANDダイを1パッケージに積層する独自技術である32ダイパッケージ(32DP)技術を活用して集積密度を2倍に高めることで、AIサーバー向けで求められる大容量eSSD市場への参入も目指したいとしている。