Intelは5月19日、AI・ワークステーションを活用するプロフェッショナルや開発者向けに設計された新たなGPU「Intel Arc Pro Bシリーズ」ならびにAIアクセラレーター「Gaudi 3」の製品拡充を発表した。

  • Intel Arc Pro Bシリーズ

    Intel Arc Pro Bシリーズのチップイメージ (出所:Intel)

Xe2ベースのAI活用に向けたGPU製品が登場

Arc Pro Bシリーズは、Xe2アーキテクチャーをベースに開発されたGPUで、Intel Xeマトリクス・エクステンション(Intel XMX)AIコアと高度なレイトレーシング・ユニットを搭載しており、GDDR6 24GB品の「Arc Pro B60」と同16GB品の「Arc Pro B50」が用意されている。

  • Intel Arc Pro Bシリーズ
  • Intel Arc Pro Bシリーズ
  • Intel Arc Pro Bシリーズ
  • Intel Arc Pro B50/60の概要 (出所:Intel)

また、AEC(アーキテクチャー、エンジニアリング、コンストラクション)と推論ワークステーション向けに最適化されているとするほか、幅広いソフトウェア・ベンダーの認定と最適化されたソフトウェアにより安定性とパフォーマンスが確保されるとする。

さらに、AI開発者の課題を軽減することを目的とした、ワークステーションクラスの構成が可能なIntel Xeonベース・プラットフォーム(Project Battlematrix:開発コードネーム)も併せて発表。同プラットフォームは、最大8基のIntel Arc Pro B60をサポートし、最大192GBのVRAMを搭載した中規模(最大1500億パラメータ)かつ高精度なAIモデルを実現することを可能とするという。

  • Project Battlematrixプラットフォーム

    Project Battlematrixプラットフォーム(開発コードネーム)の概要 (出所:Intel)

2025年6月よりASRock、GUNNIR、Lanner、MAXSUN、ONIX、Senao、SPARKLEをはじめとするアドインボード・パートナーからサンプル提供が開始される予定とするほか、Intel Arc Pro B50については、2025年7月より一般販売が開始される予定だという。

  • ASRock、GUNNIR、Lanner、MAXSUN、ONIX、Senao、SPARKLE

    ASRock、GUNNIR、Lanner、MAXSUN、ONIX、Senao、SPARKLEの7社より2025年6月よりサンプル提供を開始する予定 (出所:Intel)

Gaudi 3にPCIeカード品を追加

一方のGaudi 3については、新たな導入オプションとして、PCIeカード品が追加された。これにより、中小企業から大企業までさまざまなユーザーが、Llama 3.1 8BからフルスケールのLlama 4 Scout/Maverick多様なモデルを柔軟に実装できるようになると同社では説明している。同製品は2025年下半期の提供開始を予定しているとする。

  • Gaudi 3 PCIeカードのイメージ
  • Gaudi 3 PCIeカードのイメージ
  • Gaudi 3 PCIeカードのイメージ (出所:Intel)

また同社では、併せてGaudi 3ラックスケールシステム・リファレンス・デザインも発表した。同デザインは、ラック当たり最大64基のアクセラレーターをサポートし、8.2TBの広帯域幅メモリを搭載しているという。さらに、オープンなモジュール設計によりベンダーロックインを回避することができ、ケーブル接続されたバックプレーンとブラインドメイト方式の2Dフルラックケーブル配線により、設置とメンテナンスの簡素化を可能とし、液冷システムと組み合わせることで高いパフォーマンスを発揮しつつ、総所有コスト(TCO)の抑制を図ることを可能としたという。

AIアシスタント・ビルダーのパブリックベータ版の提供を開始

このほか、同社は2025年1月に発表したIntelのプロセッサを搭載したAI PC上でカスタムのAIエージェントをローカルで構築し、実行する軽量のオープン・ソフトウェア・フレームワークである「Intel AIアシスタント・ビルダー」のパブリックベータ版の提供をGitHubで開始したことも明らかにしている。これにより、開発者やパートナー各社はAIアシスタント・ビルダーを活用することで、自社の組織や顧客向けにAIエージェントを迅速に作成して展開できるようになるという。