プロセッサIPを最終製品市場ごとにプラットフォーム化

Armは5月16日、同社のIP製品ポートフォリオを各製品プラットフォームごとに分けて提供していくことを明らかにした。

同社はすでに2018年にインフラ向けコンピューティングプラットフォーム「Neoverse」をアナウンスして、継続してサーバ向けプロセッサIPなどを提供してきたが、今後はこうした取り組みをPC、モバイル、オートモーティブ、IoT向けにも拡大していくこととなる。

それぞれの製品市場別の名称は以下の通りで、それぞれに「Arm Compute Subsystems(CSS)」を導入したとする(これまで発表されていたCSSは3つ。Neoverse CSSが2024年2月、CSS for Autoが2024年3月、CSS for Clientが2024年5月にそれぞれ発表)

  • Arm Neoverse:インフラストラクチャ向け
  • Arm Niva:PC向け
  • Arm Lumex:モバイル向け
  • Arm Zena:オートモーティブ向け
  • Arm Orbis: IoT向け

これにより、これまでCortex-A、Cortex-R、Cortex-Mと一様に述べていたものを、各プラットフォーム別の名称で提供していくことになる。すでにNeoverseでは、Vシリーズ、Nシリーズ、Eシリーズの3つのプラットフォームが提供されているが、NivaやLumex、Zena、Orbisなどそれぞれのプラットフォームでも同様に複数シリーズが展開されていくことになるとみられる。

GPUのMaliは継続、IPナンバリングの法則は見直し

ただし、GPUブランドである「Mali」については継続され、IPはプラットフォーム内のコンポーネントとして参照されるとしている。

なお、この変更に併せて、これまでの各Cortexシリーズに振り分けられていたナンバリングについても、プラットフォームの世代に併せて簡素化し、「Ultra」、「Premium」、「Pro」、「Nano」、「Pico」などの名称を用いてパフォーマンス層を示すとしており、この変更には開発者や顧客がArmのロードマップをより簡単に理解してもらう意図があると同社では説明している。