NVIDIAとAnthropicが、米政府のAIチップ輸出規制に関連してちょっとした対立関係になっている。公式ブログで米国政府の政策を指示しながら中国がAIチップを密輸していると攻撃したAnthropicに対し、NVIDIAは「米国企業はイノベーションに集中し、挑戦に立ち向かうべき」と批判した。
NVIDIAは以前から米政府の「AI Diffusion Rule」に反対
発端はAnthropicが4月30日に公開したブログ記事。米商務省の「Framework for Artificial Intelligence Diffusion」の暫定最終版に合わせて、先進的な半導体の輸出規制を維持・強化するための分析と提言を提出したことを報告するもので、コンピューティングにおける優位性の重要性や米国のインフラ優位性の強固を主張するとともに、DeepSeekは輸出規制が機能しているとしている。
Anthropicはまた「チップの密輸は脅威である」とし、生きたロブスターや偽の妊婦の腹部などにチップを隠しての密輸などが文書化されていると記している。
NVIDIAの広報担当はCNBCに対して「米国企業は、妊婦のふくらんだお腹や生きたロブスターと一緒に密輸されるなどの大げさな話をするのではなく、技術イノベーションにフォーカスして課題に立ち向かうべき」と述べたという。
Anthropicは「Claude」を開発しており、DeepSeekなど中国製のモデルと競合関係にある。NVIDIAは以前から米政府の「AI Diffusion Rule」(AI拡散規制)に反対の姿勢を見せている。同規制は5月15日に発効する予定だ。