
ナフサ(粗製ガソリン)の供給不安を受け、食品包装を見直す動きが流通大手にも広がっている。イトーヨーカドーは、食品容器のふたをプラスチックからラップフィルムに替えた。ナフサ由来のプラスチック使用量を減らすためだ。ファミリーマートも、プライベートブランド『ファミマル』のパッケージに印刷している緑と青のロゴについて、サンドイッチなどの商品から順次、白黒に変更していくことを検討している。
政府によると、日本全体で原油の必要量は確保できていることから、ナフサ由来の化学製品の供給は年を越えても継続できる見通しという。しかし、包装に必要な資材の調達は困難な状況が続いている。
農林水産省によると、農林水産業・食品産業で使われる食品容器包装など57項目のうち、これまでに判明している農業ハウス用ビニールなど12項目に加え、新たに牧草などのサイレージ用ラップ、苗木のコンテナ、植物油容器など、18項目の供給に問題がないことが確認されている。
ただ、これまでに農水省に寄せられた約900件の相談には、実際に流通の目詰まりが起きているケースも含まれているという。
鈴木憲和農水相は、5月22日の記者会見で、「もし供給の偏りや目詰まりが生じている場合は、なるべく早く相談してほしい」と呼びかけた。
農業経営には別の懸念材料もある。全国農業協同組合連合会(JA全農)は、作物に秋に与える肥料(秋肥)について、今年6月~10月に全国のJAなどに卸す価格を5月までの春肥に比べて最大14.5%値上げすると発表した。需要が堅調なことに加え、中東情勢の悪化で一部の原料価格が高騰しているためだ。
鈴木農水相は5月19日の記者会見で、生産者が主に使う複合肥料の基準銘柄では値上げが5%にとどまることを指摘した上で、肥料の安定供給にも対応していく考えを示した。