ベトナム政府の情報通信省情報通信技術局長のグエン・カック・リッチ氏が、ベトナム初となる総投資額12.8兆ベトナムドン(約5億ドル)の半導体前工程(ウェハプロセス)工場建設プロジェクトを正式に承認したと、複数のベトナムメディアが一斉に報じている。

ベトナム初の前工程工場設立へ

この前工程工場は2030年までに建設を完了する計画で、防衛、AI、ハイテク用途向けの特殊チップを成熟プロセスを用いて生産する。ベトナム政府は、税制優遇措置に加え、総投資額の最大30%とする直接的な財政支援を行う予定で、首相が率いる特別運営委員会がプロジェクトを監督し、リソース配分を調整する。

この数年間、ベトナムは半導体産業への参入に向けてさまざまな取り組みを行ってきており、2023年には、米国、韓国、日本、その他の地域の半導体企業と集中的な交渉を行ったという。米ASEANビジネス協議会ベトナム事務所長のヴー・トゥ・タン氏によると、ベトナムは米国の半導体企業6社と工場運営に関する協議を行ってきたとするが、現在、交渉中のため、企業名は公表できないという。別の匿名のベトナム当局者によると、協議にはGlobalFoundries(GF)と台Powerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)が潜在的な投資家として含まれているという。

ベトナムのファム・ミン・チン首相は2024年、2030年から2050年までのベトナムの半導体産業発展戦略とビジョンを発表した。この戦略は、ベトナムを世界的な半導体ハブとして確立するための3段階のロードマップを概説しており、今回の半導体工場建設はその第1段階となる。

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