東北大学と北海道大学(北大)の両者は3月27日、1月17日に締結された連携協定の第2弾として、東北大 グリーン未来創造機構 宇宙ビジネスフロンティア研究センターと北大 創成研究機構 宇宙ミッションセンターが連携し、日本の「スペース・トランスフォーメーション」(宇宙空間における活動を通じてもたらされる経済・社会の変革)の加速を実現するため、超小型衛星開発利用拠点の構築を目指すことを発表した。

今回の連携は、東北大 グリーン未来創造機構 宇宙ビジネスフロンティア研究センターの吉田和哉センター長(同・大学大学院 工学研究科 教授兼任)、北大 創成研究機構 宇宙ミッションセンターの高橋幸弘センター長(同・大学大学院 理学研究院 教授兼任)らによるもの。

2009年より地球観測のための50kg級超小型人工衛星(マイクロサット)の共同開発を進めてきたのが、東北大の吉田教授と北大の高橋教授の共同研究チーム。その結果、同クラスの衛星については打ち上げ数、運用成功率共に国内の大学・企業の中ではトップクラスとなっている。今回は、両名それぞれがセンター長を務めることから、東北大 グリーン未来創造機構 宇宙ビジネスフロンティア研究センターと北大 創成研究機構 宇宙ミッションセンターが連携することとなった。

東北大の宇宙ビジネスフロンティア研究センターは、同大学のグリーン未来創造機構のもと、2024年1月に吉田教授をセンター長として設置されたばかりの組織。東北大にて培われてきた超小型衛星開発の成果を次世代へと継承・成長・発展させることが目標とされており、衛星ミッションの企画から、衛星システムインテグレーション、軌道上運用に至るすべてのフェーズにおいて、超小型衛星による革新的な地球観測や探査技術を開発し、およびそれらの卓越した技術基盤を宇宙ビジネスへ展開していくことが目的とされている。

一方、北大 創成研究機構において、高橋教授をセンター長とし、同大学内の10を超える部局やセンターの教員が参画して設置されたのが宇宙ミッションセンターだ。宇宙開発は、世界規模で国家の宇宙機関から民間へとシフトしつつあり、宇宙機の小型化や低価格化も進むが、その中で機器開発からデータ解析までを包括する宇宙ソリューションを実現する教育と研究開発を行うことが目的とされている。

今回は、組織対組織での連携を行うことにより、それぞれの研究開発実績を基盤とし、以下の4つの観点から「ニーズ・ドリブンの世界的競争力を持つ研究開発」および、それらを推進可能な「国内外の宇宙人材育成」を積極的に推進するという。

  1. ミッション・ニーズに即応するマイクロサットの開発および軌道上運用技術
  2. 先端撮像技術(超多波長高解像度スペクトルカメラ×クラス最高のポインティング技術)
  3. 高精度衛星スペクトル観測を活かす世界最大級の地上スペクトルデータライブラリ(地球環境ライブラリ)の構築
  4. 衛星エッジコンピューティングを世界に先駆けて開発(機上高速処理、MRAM、光通信技術)

これらの観点は、いずれも世界に対する技術的優位性のさらなる強化につながるものであり、両大学は連携し、卓越した超小型衛星開発利用拠点の構築を目指していくとしている。