矢野経済研究所が2月14日に発表した調査結果によると、2023年度のビジネス・チャット・ツール市場は2022年度と比べて9.9%増の363億3000万円の見込みであり、2027年度には454億5000万円まで拡大することが分かった。

2022年度の同市場(事業者売上高ベース)は、2021年度と比べて29.7%増の330億5500万円だった。2023年度は、コロナ禍(新型コロナウイルス感染症の感染拡大)で需要の先取りがあった影響から反動で成長率は鈍化すると同社は見ている。

  • ビジネス・チャット・ツール市場規模の推移と予測 出典: 矢野経済研究所

同市場は2020年度から2021年度にかけてコロナ禍の影響を受け、在宅勤務への移行に向けた環境整備の一環として同ツールの導入が急増した。

また、2022年度は現場での業務対応が必要となる顧客層、つまり在宅勤務の難しい現場向けを意識し、業務効率化や業務の自動化に向けた基盤としての打ち出し方に進化した結果、より幅広い業界や事業者へと導入が進んでいるという。

ただし、新型コロナウイルスの感染症区分が5類へ移行したことに伴い、在宅勤務から出社へと切り替える企業も出てきており、成長率としては鈍化しつつあると同社は見る。

将来の展望としては、現状、同市場の顧客として在宅勤務の対象ではない現場ワーカーを完全には取り込めておらず、競争の激しいオフィスワーカー向けと異なり、開拓余地の大きい領域となっているという。

各社とも現場ワーカーを含む形で従業員全体のコミュニケーションを最適化することで、業務効率化や業務の自動化を図っていく取組みがみられるとのこと。

この背景を踏まえると、コロナ禍のような一時的な高い成長率は見込めないものの、継続的な成長が見込まれると同社は考えている。

ビジネスチャットツール市場規模は、2024年度に395億2000万円、2026年度に437億5000万円、2027年度には454億5000万円まで拡大すると、同社は予測している。