スペースデブリ除去を含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングスの国内子会社で、人工衛星の開発製造を担うアストロスケールは9月28日、同社が拠点を置く東京都墨田区との間で、連携協定を締結したことを発表した。

  • 連携協定締結式の様子。

    連携協定締結式の様子。左から墨田区の山本亨区長、アストロスケールホールディングス創業者の岡田光信CEO、アストロスケールの加藤英毅代表取締役社長。(出所:アストロスケール)

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へと持続可能な軌道を継承するため、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む民間企業として2013年に創業。以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリか防止のための除去、既存デブリの除去など、軌道上サービスの実現を目指して技術開発を進めている。

同社は2023年5月、もともと墨田区にあった本社から、同じ墨田区内のヒューリック錦糸町コラボツリーへと移転した。この時アストロスケールホールディングス創業者兼CEOの岡田光信氏は、墨田区の協力を得て実現したと明かしている。

今回の協定は、墨田区とアストロスケール双方の特性および資源を有効に活用した協働による活動を推進し、地域社会のいっそうの活性化および相互の発展を目的としたものだといい、地域の活性化に貢献する社会連携や次世代の育成につながる体験の提供などに関して、連携・協力を行うとする。

また具体的には、2023年7月に新本社でオープンした見学施設「オービタリウム」における区民無料デーの提供や、岡田氏による起業家精神や宇宙事業に関する講演の提供、アストロスケールによる墨田区のふるさと納税返礼品の登録など、いくつかの活動について検討を進めているとのことだ。

アストロスケール代表取締役社長の加藤英毅氏は、協定の締結に際し、「墨田区は2021年度にSDGs未来都市に選定されるなど、SDGsの中心地であり、またイノベーションの創出にも積極的だ。その環境は、宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の実現を目指し、軌道上サービスに取り組むアストロスケールにとって理想的と言える」としている。