会話の内容をリアルタイムにイラスト化するビジュアルコミュニケーションシステム「piglyph(ピグリフ)」や現実空間に3D映像を映し出す立体投影装置「WARPE(ワープイー)」、インドの農村部に住む女性の雇用創出を目的としたアパレルブランド「RANGORIE(ランゴリー)」など、数々の面白い挑戦を生み出しているのが、リコーのアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」だ。
このイベントはスタートアップ企業や社内外の起業家の支援を目的として行われ、今年で4年目を迎える。社内外からイノベーターを募り、同社グループが持つ技術やノウハウを活用して新しい価値の創出を目指すという。リコーの社内役員だけでなく社内外のVC(ベンチャーキャピタル)などが審査に携わるほか、400人以上のリコーグループ社員がサポートを提供する点が特徴的である。
このほど、2022年5月に開始したTRIBUS 2022の統合ピッチコンテストがリコー本社とオンラインのハイブリッドで実施された。当日は2022年10月に行われたピッチコンテストで採択された社外スタートアップ企業8社と、社内選考を通過した社内起業家10チームが登壇した。
TRIBUS 2022のテーマは「明るい未来をつくる」。今回のテーマには、自分たちがありたい姿や明るい未来を実現する人たちを応援したい、という意図を込めているとのことだ。また、人々が安心して暮らせる社会、あるいは、豊かな生活を送れる社会の基盤となるような事業を募集したそうだ。
統合ピッチコンテスト当日、リコー社長の山下良則氏は都合がつかずに会場では参加できなかったが、以下のように出場者にメッセージを送った。
「本日はやむを得ず会場で審議に参加することができず、大変申し訳ありません。皆さんの熱意あふれるピッチは、後日すべて拝見させて頂きます。コロナ禍以降、不確実であることが確実と言われている世の中ではありますが、未来の動きを読み切って、意志をもって明るい世界を作っていかなくてはなりません。まさに、本年度のTRIBUS のテーマ『明るい未来をつくる』という言葉がリコーとしてのその決意を表しています。このテーマに共感し、活動に参加してくださったスタートアップ企業の皆様、社内起業チームのメンバーとともに、新たな一歩を踏み出し、さらなる価値創造の道を歩んでいけることを心から楽しみにしています」
リコー社内から参加したチームは、約3カ月間かけてビジネスアイデアのブラッシュアップや顧客へのヒアリング、PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て準備を進めてきた。ピッチコンテストの結果、採択されたのは次の4チームだ。これらのチームは7月に開催予定のInvestors Dayに向けて、4カ月間のアクセラレーター期間に進む。
「TRIBUS 2022」採択された社内チーム
チーム名 | アイデアの概要 |
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TASUKI | 中小企業の事業継続を支援するサービス |
カンタンサービス | スマホを活用した IT機器利用の困りごと解決サービス |
Beyond Reality | 360度カメラ「RICOH THETA」を用いたスポーツ映像の配信サービス |
KANSEIプロジェクト | 働く人の業務効率をサポートして副業 / 兼業を支援 |
審査員を務めた、リコーのCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)を務める坂田誠二氏は「出場チームのアイデアはどれも僅差で、悩みながら投票しました。7月までぜひ必死に頑張っていただき、またInvestors Dayで会えるのを楽しみにしています」と述べてイベントを締めくくった。