DigitalBlastは5月17日、月面での植物栽培を軸とした生態循環維持システム構築に向けたプロジェクト「NOAH」を本格始動し、その一歩目の位置づけとなる重力発生装置「AMAZ」(アマツ)はすでにプロトタイプが完成しており、2024年に国際宇宙ステーション(ISS)での実験開始を目標に地上実験を進めていくことを発表した。

日本も参加するアルテミス計画では、2020年代後半には月面に恒常的な有人活動拠点(月面基地)が建設される計画だ。月面基地や、その先の火星有人探査など、宇宙において宇宙飛行士が長期間にわたって健康に活動を続けるためには、食糧の確保も含めて、環境面での問題から植物栽培が重視されている。

これまで、ISSなどの微小重力環境では植物の育成に大きな影響を及ぼすことが明らかになっているが、重力が地球のおよそ1/6の月やおよそ1/3の火星など、低重力環境の植物育成への影響はまだ十分には把握されていない。このような状況に対してDigitalBlastは、月面での植物栽培を軸とした「生態循環維持システム構築」を行うプロジェクトNOAHを立ち上げ、今回本格始動となった。