Microsoftがアプリ開発の民主化を進めるうえでのキーソリューションとなる「Power Platform」。同ソリューションはローコーディングによるビジネスアプリ開発の「Power Apps」、RPA機能を含む自動ワークフロー作成ツール「Power Automate」、データ分析・可視化が可能なBI(Business Intelligence)ツール「Power BI」、チャットボットをノーコードで作成可能な「Power Virtual Agents」の4つのサービスで構成されており、昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から官民問わず導入が進んでいる。

日本マイクロソフトはこのほど、Power Platformを活用し、ビジネス部門とIT部門が協力して業務課題の解決に取り組む事例などを紹介するオンラインイベント「Microsoft Power Platform Week」を開催した。本稿では「大規模組織におけるPower Platform展開の勘所」と題した、日本たばこ産業(JT)の取り組みを紹介する。

1万8000ライセンスを持つJT

はじめに、日本たばこ産業 たばこ事業本部 セールスグループ 営業サポート部 次長の楠根健次氏がMicrosoft製品の導入状況について紹介した。同社では、2017年にOffice連携やコストの観点から業務システムとしてクラウドERP/CRMの「Dynamics 365」を導入しており、2018年にPoC(概念実証)という位置づけで「Power Platform」を試験運用し、実運用に向けて基本的な運用ルールを定義。

2019年は同社にとっての転換期となり、次期システムをPower Platformで構築することが決定していたため、稼働を見越して前倒しでPower Platformのライセンスを購入し、複数のアプリを作成するなど、社内における市民開発者向けの活動を開始した。

楠根氏は「あるツールは営業活動システムと同じベンダーが開発し、その後は業務システムに組み込まれている。また、別のツールではコアチーム(Power Platform運用管理を行う専属チーム)が作成して業務システムとAPI連携し、現在でも使われている。さらに、ほかのツールは単体で動くものとして開発・提供され、ユーザー自らが開発するアプリをイメージできるものとなった。これらの分類は今後の開発にも役立つものだ」と述べた。

2020年には全社展開をにらみ、運用ルールを再定義するとともにユーザーグループの提供サービスを追加して、2021年3月にPower Automate、同10月にPower Appsのライセンスを開放して現在に至る。

  • Microsoft製品導入の変遷

    Microsoft製品導入の変遷

一方、利用状況については国内の利用者向けのライセンスは1万8000、有償プランは5000となっており、アプリ・フロー作成ユーザー数は661人(約500人は1つのアプリまたはフローのみ所有)、アプリ数は1356、フロー数は1948、Power Automate for desktopの導入をアナウンスしていないにも関わらずデスクトップフロー数は93、組織的な環境数は60となっている。

  • 利用状況の概要

    利用状況の概要