半導体市場動向調査会社の仏Yole Développementによると、スマートフォン(スマホ)用慣性計測ユニット(IMU)の世界市場は、2019年から2026年まで年平均成長率5%で成長し、2026年には8億3800万ドルに達すると予想されるという。

また、その市場シェアは、STMicroelectronics、TDKが2016年に買収した米InvenSense、Robert Boschの子会社である独Bosch Sensortecの3社がシェアの大半を獲得しているという。例えば、Yole Groupでリバースエンジニアリングを専門とするSystem Plus Consultingが、2019年に53種類、2020年に54種類、2021年に7種類、計114種類のスマホを分解し、搭載されているIMUを調べたところ、上記3社だけで、調査対象端末に搭載されたIMUの94%を占めていたという。

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    Yoleの子会社であるSystem Plus Consultingがスマホを分解して調べたMEMS慣性センサの製造元内訳 (出所:Yole/System Plus Consulting)

特にSTMicroのIMUは、2019年の53機種の53%、2020年の54機種の43%、2021年の7機種の86%を占めており、圧倒的な存在感を示していることがわかったという。

System Plus Consultingによると、TDK/InvensenseはASICとMEMSをウェハレベルで組み立て、単一のASIC/MEMSダイを用いているのに対し、STMicroとBoschはASICとMEMSの2つのダイをLGA(Land Grid Array)パッケージに統合して提供しているという。

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    Boschの加速度計ダイの分解写真 (出所:Yole/SYSTEM Plus Consulting)

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    STMicroelectronicsのMEMS IMU(慣性計測)ダイの分解写真 (出所:Yole/System Plis Consulting)