東北大学サイバーサイエンスセンターとNECは7月15日、量子コンピュータの実現方式の一つである、量子アニーリングの研究推進に向けた取り組み強化を発表した。

従来のコンピュータでは容易に解けない複雑な計算を解くことができる、量子コンピューティングへの注目が高まる中、量子コンピューティング活用人材の育成が重要視されている。東北大学とNECは、量子コンピューティングを活用した課題解決の実証環境を東北大学サイバーサイエンスセンター利用者に提供することで、学生や研究者の育成を加速するとともに、量子コンピューティング活用実証を進めることで、さまざまな社会課題の解決につなげるねらいだ。

NECは、量子コンピュータの手法の1つであるアニーリング処理に適した独自開発のアルゴリズムを組み込んだ「シミュレーテッドアニーリングソフトウェア」の評価バージョンを東北大学に提供し、東北大学は学内外の研究開発者向けに、NECの「SX-Aurora TSUBASA」を中核とするベクトル型スーパーコンピュータ「AOBA」と組み合わせて、シミュレーテッドアニーリング利用サービスを2021年8月から開始する。