京セラは9月25日、レーザーダイオード(LD)とフォトダイオード(PD)を組み合わせたレーザードップラー方式を採用した小型の光学式流量計測用モジュールを開発したことを発表した。

同モジュールは、光を当てるだけで、液体内部の粒子の測定を可能とするもの。LDから発せられた光はチューブ(配管)から跳ね返ってくる光を参照光とし、流体内部の粒子にあたり周波数が変化した光を散乱光として同時に受光。これをフーリエ解析などを用いて流量の計測を可能とした。

このため、チューブや液体にセンサ部を触れずに測定することが可能であり、センサによる汚染リスクや衛生面での負担を軽減することができるという。また、チューブとの推奨距離は1mm程度としているが、10mm程度までは測定可能範囲だとしている。

さらに、光を当てるだけで測定できる仕組みのため、懸濁液や高粘度流体であっても対応が可能としているほか、独自の演算アルゴリズムを活用することで、1mL/min以下の微小流量から1L/min程度の大流量まで測定することも可能となっているという。

同モジュールに搭載される光学式センサデバイスのサイズは、同社のセラミックパッケージ技術を活用することで、3.2mm×1.6mm×0.9mm(重さ約0.02g)を実現。これを搭載したモジュールも8mm×40mmと小型化を実現している。また、ホスト側との接続はUART、SPI、I2Cのインタフェースに対応しているという。

なお、同モジュールは2020年10月よりサンプル出荷が開始される予定となっている。

  • 光学式流量計測用モジュール

    京セラが開発した光学式流量計測用モジュール