英国国防省の研究機関である国防科学技術研究所(Dstl:Defence Science and Technology Laboratory)は8月26日(英国時間)、虫よけスプレーなどに含まれる「シトリオジオール(Citriodiol)」が新型コロナウイルスに有効であるとする予備調査結果を発表した。

この研究は、先行研究でSARSコロナウイルス(SARS-CoV)への有効性が指摘されており、こうした成果を踏まえ、新型コロナウイルスに対する効果を確かめるために2月より進められてきた。

今回、研究チームが検証を行ったのは英Citrefine Internationalが開発・製造を手掛けるスプレー式虫よけ剤「Mosi-guard Natural」で、液滴で直接ウイルスへかけた場合の抗ウイルス活性と、ラテックスをベースとした人工皮膚にウイルスが付着した状態に対する抗ウイルス活性を調査。その結果、50%のMosi-guardでは有効性が確認されなかったが、90%のMosi-guardではウイルスの減少、不活化が確認されたという。

なお、Dstlでは、今回の研究報告は外部の査読を経たものではなく、あくまで新型コロナウイルスに対する研究を行っている科学機関の基盤となることを目的としたものであり、今回の成果をもとにしたさらなる研究の促進につながることを期待する、としている。

また、今回のDstlの発表を受ける形でCitrefineは、「今回の調査結果に興奮しており、すでに複数の研究機関などで新たな研究が進められている」とのコメントを発表している。

  • 新型コロナウイルス

    様々な濃度で行われた新型コロナウイルスの不活化調査 (出所:Dstl公表資料)