NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は4月9日、2019年度の事業戦略を発表。NTTグループが目指すICTを活用したスマートな社会であるSmart World実現に向け、データの利活用によりDX(Digital Transformation)を推進するサービスを拡充するとした。

代表取締役社長 庄司哲也氏は「企業はデジタルビジネスに向かっており、デジタルビジネスの鍵はデジタルデータの有効活用だ。そのため、データ利活用を支えるサービス群を強化・拡充し、お客様のDX実現に貢献し、SmartWorldの実現に向けて、社会的課題の解決、企業・社会の持続的成長につなげていく」と語った。

  • NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 庄司哲也氏

  • NTTコミュニケーションズの2019年度の事業戦略

同氏はデータの利活用を支えるサービス群として、自然言語処理AIである「COTOHAシリーズ」、「サブスクリプションモデルビジネスを支援するサービス」、「データマネージメントサービス」、基盤となるインフラサービスである「ICTリソース」、「マネージド/セキュリティサービス」を挙げた。

  • データの利活用を支えるサービス群

「COTOHAシリーズ」では、同社はこれまで音声テキスト化AIサービス、[議事メモ作成サポート](https://news.mynavi.jp/article/20190401-798389/)、自然言語解析技術を利用できるAPIサービスAI翻訳プラットフォームサービス、[Chat&FAQ](https://news.mynavi.jp/article/20170201-a237/]などを提供してきた。今年度はさらに「回答案抽出」サービスを提供し、「COTOHA Everywhere」を推進する。

  • 「COTOHAシリーズ」のロードマップ

サブスクリプションモデルビジネスを支援するサービスでは、NTTコムウェア、bplatsと連携し、新たなサービスを提供。今年の秋には、企業間のビジネス連携を加速していく新たなサービスを提供するという。

  • サブスクリプションモデルビジネスに必要な機能群

「データマネージメントサービス」では、NTTデータやNTTと連携しながら、データ分析や可視化するサービスをAs a Serviceとして提供する。

  • データマネージメントサービスに必要なサービス/機能

「ICTリソース」では、データのガバナンスを効かせる方向で強化し、データの種類に応じて、保管基盤、立地、接続方法の最適化し、データを最適配置やデータ全体の可視化/管理・運用を実現する。秋には具体的なサービスとして、「Flexible InterConnect」を提供。必要なコネクション、セキュリティサービスをポータルで指定するたけで通信を確保できるようにするという。

  • データのガバナンス

  • 「Flexible InterConnect」

そして「マネージドサービス」では、Servicenowと連携し、5月に運用プラットフォームをSaaS型で提供するという。

そのほか、オブジェクトストレージ機能を年内に提供するほか、IoTエッジ向け通信機能、新たなデータセンターを7つ提供するという。

  • 今後開設予定のデータセンター

なお、NTTグループでは、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTセキュリティ、NTTi3の4社事業を、今年の7月を目処に海外と国内別に統合する。そのため、NTTコミュニケーションズの収益は統合後は75%程度に減るが、庄司社長は、現状レベルの収益に回復する時期は明言できないが、2025年には達成しているとした。

  • 今後、NTT持株会社傘下に新たにグローバル持株会社を創設し、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute(NTTi3)をグローバル持株会社の傘下へ移管する