テクトロニクス社は、2台の7.5桁サンプリング・マルチメータを1Uのフルラック幅で統合した「ケースレー DMM7512型」を発表した。

同製品は、波形パラメータを取り込むための機器を追加することなく、1μVの電圧感度、0.1nAの電流感度を持った1MS/s、18ビットのデジタイザにより、トランジェント信号/波形、さらにバッテリのドレイン電流などの低レベルの波形であっても取り込むことが可能なサンプリング・マルチメータ。2750万回のタイムスタンプ付の読み取りが保存できるため、どちらのDMMも波形のすべてのプロファイルを取り込み、さまざまなパラメータでトリガをかけることができるという。

また、低電力コンポーネントのDC測定において10nV、0.1μΩ、1pAの感度を実現しているほか、オフセット補正抵抗による高確度の低抵抗測定、4線式測定、ドライ・サーキット測定にも対応。さらに、1年間のDC電圧確度は最大でも14ppmで、高品質制御によるTUR(Test-Uncertainty Ratio)が最大になると同社では説明している。

加えて、組み込みのTSP(Test Script Processor)でテスト・スクリプトを実行することで、製造環境における試験時間を短縮することが可能。これにより計測器のアクションごとにPCがコマンドを送る必要がないため、PCによるコマンド通信時間を短くすることができるほか、片方のDMMをマスタ・コントローラとしてセットアップし、ケースレーのTSP-Linkを活用することで、テスト・ルーチンの実行、他の計測器の制御の両方を容易に実行できるようになるともしている。

なお、同製品の価格は80万4000円(税別)となっている。

  • 「ケースレー DMM7512型」

    「ケースレー DMM7512型」の外観