STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、最新のデジタル・セキュリティ技術をワンチップに集積したセキュア・マイコン「STSAFE-J100」を発表した。同製品は、Smart Thingsや公共インフラ用ネットワークを、サイバー攻撃などの脅威から保護するという。

STSAFE-J100は、ネットワーク接続機器に最先端のセキュリティを組み込むため、変更不可能なIDを機器に割り当てることで、真正性の証明を可能にするほか、暗号通信の処理とセキュアなデータ保存も実現するセキュア・マイコン。スマート・メータ、データ・コンセントレータ、ユーティリティ・ゲートウェイなどのIoT機器に簡単に実装することができる。

同製品は、市場に応じたアプレットでカスタマイズできるほか、CC EAL5+の認証を取得したハードウェアおよびセキュア・オペレーティング・システムを統合している。設計者は、同製品の自由度を活かして、独自にセキュリティ・プロファイルを作成することができ、ドイツの情報セキュリティ庁(BSI)やフランスのEnedis社のスマート・ユーティリティ規格の認証を取得しているSTのプロファイルを使用して開発期間を短縮することも可能となっている。

また、STは、セキュア・マイコンのパーソナライゼーション・サービスも提供している。パーソナライゼーション・サービスは、セキュア・マイコンそれぞれに固有のIDと暗号鍵を割り当て、複製やハッキングに対して耐性のある信頼性の高いハードウェアを実現するためのセキュア・マイコンの基本原理となっている。これにより、ユーザはSTSAFE-J100の柔軟性を最大限に活用できると共に、脅威に対する強力な保護が実現できるという。同サービスは、安全性とコスト・パフォーマンスに優れ、暗号鍵や機密情報の暴露を防止するとともに、プログラム済みのセキュア・マイコンを提供することで、セキュア・プログラミングにおけるユーザの負荷を緩和するということだ。

なお、STSAFE-J100は、VFQFPN32(5x5mm)、SO8N(6.0x4.9mm)、UDFN8(4.2x4.0mm)の各種パッケージで提供され、メイン・システム基板上の実装面積を最小化するようになっている。価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店まで要問い合わせとなっている。