東陽テクニカは5月16日、-30度〜85度の環境温度に対応できる自動車ドア開閉耐久試験ロボットシステム「ROACTERE」の販売を開始した。

  • (左)自動車ドア開閉耐久試験ロボットシステム「ROACTERE」、(右)「ROACTERE」を使った車室内からのドア開閉の様子

    (左)自動車ドア開閉耐久試験ロボットシステム「ROACTERE」、(右)「ROACTERE」を使った車室内からのドア開閉の様子

従来の自動車ドア耐久試験システムでは「常温環境下でのみしか操作ができない」「ドアの内側からの開閉操作ができない」「決められた固定箇所からしかドアの開閉がおこなえない」などの制約があった。

これに対し、ROACTEREでは、内部にヒーター機構と空冷機構を備えることで、稼動温度範囲が-30°C〜85°Cと広く、恒温槽内での温度変化を伴うドアの耐久試験を実施可能。自動車のサイドドア、ボンネット、テールゲートを指定した回数、指定した順番・ポイントから開閉耐久動作を自動的に繰り返し、自動車ドアの耐久性能を計測可能。複数素材で作られた新しいドアの性能・安全性・耐久性が、広い温度範囲で一定基準に達しているかを検証できる。

ロボットタイプのため、ドアの開閉スピード、ドアへの接続ポイント、内側・外側、複数ドアの開け閉めタイミングなど自由度の高い動き・順序が設定でき、小型車から大型車まで様々な種類の自動車のドア試験でも1システムで対応可能。また、ドアの外側からはもちろん、内側に設置したロボットからの開閉動作も行える。

従来のサーボモータタイプの耐久試験装置と異なり、ドアへの固定接続と追加重量がなく、ドアの特性を変化させることなく耐久試験が行えるため、実使用環境をより模擬した耐久試験が可能。さらに、耐久試験実施中のドアの特性(速度(m/s)、力(N)、エネルギー(J))も計測し「ドアの状態」を監視できるため、自動車ドアの耐久試験をより効率的に実施できる。グラフの作成、レポート出力、データのエクスポートなどデータの収集・解析も簡単・迅速に行え、測定値のリアルタイム解析が行えるということだ。