NTTデータとボストン・サイエンティフィック ジャパンは、カテーテルなどの医療材料領域において、製造販売業者や特約店が共同利用できるプラットフォームの創出と標準規格の形成を目指し、3月7日から実証実験を行うことを発表した。

  • 実証実験の概念図

    実証実験の概念図

現在、高額でさまざまな規格が存在する医療材料は、製造販売業者が代理店・特約店経由で医療機関に商品を一時的に預け、手術等での商品利用により医療機関が買取る預託販売形態と、代理店・特約店に直接販売し必要に応じて医療機関に販売する方式が主流となっている。これにより、医療材料を販売している代理店・特約店は、補充作業や受発注業務などに多くの時間を要している。また、製造販売業者も預託商品の棚卸しや廃棄等を防ぐための受発注業務に時間を要しており、業務効率化が課題となっている。

こうした課題を解決するため、NTTデータとボストン・サイエンティフィックは、これらの業務効率化に向けたプロトタイプとなるシステムが完成したことから、RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を開始する。

この実証実験では、医療機器製造販売業者であるボストン・サイエンティフィックが商品にRFIDを貼付し、個別識別IDを記録することで、医療材料を取り扱う製造販売業者および代理店・特約店が、預託販売商品と通常販売商品の情報を一元管理できるサービスを提供する。これにより、医療材料預託と通常販売におけるRFIDタグの有用性と、製造販売業者、代理店・特約店における業務効率化の可能性について検証を行う。

また、NTTデータのデジタル技術を活用し、モバイル端末等による在庫の確認や受発注予測機能を開発し、リアルタイムな在庫状況の見える化、医療機器製造販売業者の生産管理への情報活用と、サービス化に向けたプラットフォーム機能拡張の可能性について検証する。

なお、実証実験の期間は3月7日〜3月31日、効果検証の期間は3月〜4月。役割は、ボストン・サイエンティフィックがRFIDタグ貼付け、実証用フィールド提供、運営。NTTデータが、実証用システム構築、運営を担う。

今後は、2018年4月までに同ソリューションの有用性を評価し、2018年度内をめどに医療材料領域の製造販売業者、販売代理店・特約店が共同で利用可能なプラットフォームサービスの提供開始を予定している。さらに、将来的には医療材料の使用実績と患者情報を紐付け、医療機関におけるアウトカム注分析等のデータ分析にも利用できるサービス展開を目指すということだ。