2017年11月15日から17日にかけて、パシフィコ横浜にて開催されている最先端の組込技術/IoT技術にフォーカスした総合技術展「ET 2017」「IoT Technology 2017」においてマクニカは、ものづくり現場におけるデリバリータスクを支援するロボット「Relay」や、ピュアアディティブ法を用いたフレキシブル基板「P-Flex」の展示などを行っている。

デリバリーロボットのRelayは、シリコンバレーに拠点を置くロボットベンチャー Savioke(サビオーク)が開発・製造した自律走行型デリバリーロボット。障害物を回避しながらの自動走行が可能で、2017年9月には、品川プリンスホテルでの導入が発表された。

デリバリーロボット「Relay」

物流センターや修理センターにおいて、荷物を取りに行ったり、必要な部品・工具を取りに行くためは、作業者は仕事を一時中断する必要があった。しかし、Relayを用いることで、必要なものをタブレットなどからリクエストするだけで、作業の進捗にあわせて、自ら取りに行かずとも必要なものを必要なタイミングで得ることができるようになり、作業の高効率化につながる。

一方のP-Flexは、東大発ベンチャー Elephantech(旧AgIC)が開発した製造法によるフレキシブル基板。これまでの電子回路は、フォトリソグラフィと呼ばれる、全面に金属を貼ったうえで不要な部分を溶かすという手法で作られてきたのに対し、同社のピュアアディティブ法は、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノ粒子を印刷し、さらに無電解めっき技術で金属を成長させるという製造方法を用いる。これにより、型・版が必要なく初期費用・設計開発費用がかからないこと、開発リードタイムが削減できることなどが特徴であるという。

「P-Flex」サンプル実装例

そのほか、インテルFPGA評価ボードを用いたリアルタイム画像鮮明化デモや、センシング・デバイスを用いた鍵認証システムなどの展示が行われている。

インテルFPGA評価ボードを用いたリアルタイム画像鮮明化デモ。画像右が画像処理を施した状態。未処理状態と比較すると、山の輪郭や降雪の度合いなどがはっきりと見えるようになった

センシング・デバイスを用いた鍵認証システム。センサの前であらかじめ登録しておいた「ジェスチャー」をすることで、鍵を開閉することができる