huntech(ハンテック)は、捕獲時にモバイル端末に通知を送る狩猟罠用のIoTセンサータグ「スマートトラップ」の発売にあたり、予約の受付を開始した。発売日は11月15日。

スマートトラップの仕組み

「スマートトラップ」の親機と子機

「スマートトラップ」は、IoT技術を活用し、市販のくくり罠に設置することで野生鳥獣の捕獲をリアルタイムで管理者に通知し、捕獲情報を独自のデータベースに記録ができるセンサータグ。近年、野生鳥獣による農作物への深刻な被害が報告されている一方で、 野生鳥獣の捕獲をしている狩猟者は年々減少し、高齢化も進んでいる。罠猟の場合、罠の設置後は毎日見回りをすることが望ましいとされているが、それが猟師の負担にもなっているのが現状という。同製品を使うことにより、毎日見回りをしなくても捕獲状況が分かるだけでなく、捕獲データを蓄積することで「猟師のカン」を見える化し、罠設置の最適化を目指す。

同製品は、ワイヤを使って足を縛り付ける仕組みの「くくり罠」や「箱罠」に、加速度センサーを内蔵したタグ(子機)を設置すると、罠にかかった際に暴れる動物の動きに反応して管理者に通知メールが送信されるようになっている。これにより、罠の設置者に義務付けられている見回りの頻度を、毎日から週1回程度にまで削減できると同時に、捕獲後すぐに回収できるため、良好な状態で食用肉として流通させることが可能になる。さらに、同製品にはGPSセンサーが搭載されており、捕獲日時や気象情報などと併せて捕獲場所の位置情報も含めたデータベースを自動で作成することができる。これにより、従来はベテラン猟師の暗黙知によるところの多かった野生鳥獣の行動特性等を見える化し、捕獲効率を高められるということだ。

「スマートトラップ」は、本体(親機)1機にタグ(子機)5機で構成されており、本体を中心に最大半径100m以内であれば、タグ(子機)を取り付けた罠5つまで管理できる。価格は本体1機とタグ5機が7万9,800円(税抜)で、別途システム利用料が月額2,980円(税抜)必要となる。購入予約はhuntechのウェブサイトにて。

今後同社は、「スマートトラップ」により蓄積した捕獲データを活用し、野生鳥獣の行動パターンや気象条件等の分析を行うことで、罠設置を最適化する「狩猟AI」を開発していくという。 また、近年では、捕獲された野生鳥獣の「ジビエ」としての活用も盛り上がりを見せており、ジビエの流通体制に関わる事業にも着手していく予定だということだ。