島津製作所は、製薬各社の開発や品質検査業務を支援する分析データ処理システム「LabSolutions」の最新版を発売した。

2016年の春以降、FDA(米食品医薬品局)やMHRA(英医薬品庁)などをはじめとする海外の規制当局は、製薬企業の品質保証への監視を強めており、各社は分析機器の利用時に不正がないことを示す必要がでている。同製品では、本製品には、医薬品の試験結果に対する不正操作がないことを示す「データの完全性」(データインティグリティ)を補完する機能が盛り込まれているため、そうした監視への対応を強化することが可能だ。

特に今回発表となった最新版では、新たなアルゴリズムにより、特別な設定をしなくても、成分のピークを自動的に検出することを可能とした。これにより、手動操作での結果の揺れを防ぐことが可能となるという。また、さまざまな分析条件から起きうる複雑な波形に対し、独自の波形処理機能により、柔軟かつ高精度にピークを検出することが可能となり、データ解析や試験結果の確認業務の負担を軽減することが可能になるという。

さらに、溶出成分の紫外線(UV)吸収スペクトル形状の違いを利用することで、ほぼ同時に溶出する複数成分を確実に分離する機能を開発・搭載。分離が困難なピークを単一ピークに分離できるため、検出が容易化するほか、結果データの解析や定量計算も可能になるとのことで、医薬品の分析のみならず、臨床検体、化成品、天然物、機能性食品、残留農薬など、多くの分野でも活用が可能だという。

なお、同ソフトの価格は95万円(PCを除く)から、となっている。