国際自然保護連合(IUCN)が世界の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)最新版を8日発表し、約30年で個体数が最大40%減ったキリンを絶滅危惧種に新たに指定した。また鳥類の新種742種の11%も絶滅危惧種とした。

写真 絶滅危惧種に指定されたアフリカのキリン(IUCN提供)

レッドリストは絶滅の恐れがある生物の生息状況などを調べて分類したリスト。世界的に信頼度が高いリストはいくつかある中で1966年に作成されたIUCNのリストが最も権威があるとされる。絶滅危惧種については危急度に応じて3ランクに分類し、絶滅種、絶滅の懸念があまりない低懸念種なども掲載している。

キリンについてIUCNは、生息地であるアフリカでの違法な狩猟や森林伐採、農地の拡大、干ばつなどの影響により個体数が1985年の約15~16万から減り続けて2015年には36~40%減った、としている。絶滅危惧種の3ランクのうちでは危急度が一番低い「絶滅危惧Ⅱ種」とされた。それでも最新調査で個体数は10万を割り、IUCNは各国に保護の強化を求めている。

今回鳥類で新種の11%が指定された要因としてIUCNは、ダム建設や農地の拡大などによって生息地が失われていることなどを挙げている。

IUCNはメキシコのカンクンで開かれた生物多様性条約締約国会議に合わせてレッドリスト最新版を発表した。日本の環境省なども独自のレッドリストとレッドデータリストを作成、公表している。

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