タカラバイオは11月24日、寒天由来の機能性食品素材「アガフィトース」に腸内環境の悪化を抑える作用があることを確認したと発表した。

同成果は京都府立医科大学との共同研究によるもので、詳細は「第6回フードファクター国際会議(ICoFF 2015)」で発表された。

「アガフィトース」は寒天の主成分であるアガロースの酸加水分解によって生成する2~8糖のオリゴ糖。同社はかねてより「アガフィトース」の研究を進めており、これまでに抗関節炎作用、大腸炎予防作用、発がん予防作用などの機能性があると発表している。

今回の研究では、マウスに高脂肪食と「アガフィトース」を与え、腸内細菌叢を評価した。その結果、高脂肪食により腸内細菌叢のバランスが悪化するが、「アガフィトース」によりその悪化が抑えられることを確認。また、腸内細菌叢のバランスが悪化することにより生成される発がん性物質の二次胆汁酸(デオキシコール酸)の増加も「アガフィトース」によって抑えられることも確認したという。

さらに、アゾキシメタンという化学物質と高脂肪食によって誘発される大腸発がんモデルマウスに「アガフィトース」を与え、がん病変の形成を評価したところ、「アガフィトース」によってがん病変の形成が抑制されたことを確認した。同社はこれらの結果について、「アガフィトース」は腸内細菌叢のバランスが悪化するのを改善し、また、発がん性物質のデオキシコール酸の増加を抑えることで、発がんを抑制することを示すものだとしている。