日本メーカーのPCのデザインをどう感じますか?

「洗練されたデザインのPCといえば海外メーカー」という印象は、つい最近まで一般的だったもの。PCにおいて追求されるべきは性能でしたから、昔はそれでも十分だったんですよね。ガジェット的な視点でのかっこよさもありましたし。

そんなPCにおける機能重視の観点が変化してきたのは90年代後半。PCにデザインの要素を取り込んだ、おなじみAppleの製品が日本に輸入されて以降のことでしょう。それから約20年。パソコンは誰もが持つ物となり、紆余曲折を経た国産PCも、今ではしっかりスタイリッシュなデザインになりました。

そんな歴史を持つ国産PCですが、海外メーカーに親しんできた外国人のみなさんは、そのデザインをどう捉えているのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「日本メーカーのPCのデザインをどう感じますか?」と質問してみました。

■TOSHIBAはとても使いやすい。またスリムでコンパクトなデザインだと思います。(トルコ/30代前半/女性)
■本体がだんだん薄くなってきて、インテリア的に見ても格好よくなってきました。(タイ/30代後半/女性)
■デザインもいいし薄型でかっこいい。(スウェーデン/40代後半/女性)
■いらない所がない。(韓国/40代後半/男性)
■シンプルでミニマルなデザインが好きです。(スペイン/30代後半/男性)

大半が「よい」という嬉しい評価になった今回のアンケート。まずは「スリム」や「シンプル」という視点からピックアップしてみました。「インテリア的」という回答からすると、デスクトップPCの評価でしょうか。「インテリアになじむデザイン」はPCやガジェット関連の"デザイン化"初期によく聞かれた言葉でしたが、この回答からすると達成されたと言ってもよさそうです。

■シンプルかつ現代的でかっこいいです。(フィリピン/40代前半/女性)
■斬新ですてきだと思います。(ドイツ/40代前半/女性)
■毎年デザインがよくなっている。未来を感じさせるものが多い。(イスラエル/30代後半/女性)

「現代的」、「斬新」、「未来」などデザインのトーンについてです。ノートパソコンはスマホやタブレットなどと近い存在でもあり、デスクトップ機以上にデザイン要素が強調されるツールです。5年ほど前は富士通「FMV-BIBLO LOOX U」シリーズなどのように小型ゲーム機の趣があるデザインが多く発表されていましたが、現在は小型化よりもタブレットのような薄型をめざす方向が主流のよう。回答に東芝の名前が出ていますが、5月に発売されたdynabook KIRA L93」もタブレット的な薄型デザインです。

実は、スカンジナビアのデザイン会社「No Picnic」とのコラボレーションから生まれたモデルだそう。日本ならではの機能性と細部への気づかいに海外のデザインセンスを加えるという新たなスタンスも、国産PCのデザインクオリティを向上させている一要素なのかもしれません。

■きれいです。(中国/20代後半/女性)
■きれいだと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■きれい。(オーストラリア/40代前半/男性)
■かっこいいし、オシャレ。(台湾/40代前半/男性)
■かっこいいしちょうどよい。(ロシア/20代前半/女性)

きれい、オシャレという評価に加え「ちょうどよい」という評価が興味深いですね。詳しい記載がないので予想でしかありませんが、持ち運びしやすく壊れにくい、アフターサービスも丁寧、という辺りが評価につながっているのかも。

■悪くはないが、正直アップルの方が好き。(イギリス/20代前半/女性)
■SONYの「VAIO」以外は遅れているイメージです。(アメリカ/20代後半/男性)
■メーカーや機種にもよるので、かっこいいのもあればそうでもないのもあると思います。(マレーシア/30代前半/男性)

日本のメーカーにもよいデザインがある、と一定の評価があると読める回答群。SONYは斬新なデザインで海外にその名をはせたメーカーですが、「VAIOは評価する」というアメリカの方の回答は、強いブランド力の一端を見せてくれています。

■デザイン的に少し遅れている。(ベトナム/30代前半/女性)
■90年代って感じがする。(アルゼンチン/30代前半/男性)
■あまり特徴がないと思います。(ブラジル/20代後半/男性)
■特に印象的でもないです。(ペルー/30代前半/男性)

上記ふたつの回答は、同じ時代のデザインを想像されていそうですね。90年代の重くてゴツいノートPCのイメージをお持ちの方々が、前述の最新型dynabookをご覧になったら、どのような印象を持たれるのでしょうか…。

PCなどメーカー系ガジェットデザインは、通常インハウスのデザインチームが行う場合が多く、個人名が出ることはほぼありません。ですが、このマイナビニュースはもちろんのこと、ガジェット系ニュースサイトやデザイン系サイトでも、インタビューが載っている場合があります。ぜひ、そうした記事でデザイナーさんたちの想いや言葉を読んでみてください。目の前にあるPCにより一層の愛着がわくはずですよ。