カネカは9月9日、国立循環器病研究センターと共同で科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)に応募していた「羊膜由来間葉系幹細胞(MSC)の細胞製剤化と治療応用」が、プロジェクトとして採択されたことを発表した。

羊膜由来MSCは羊膜に存在する未分化の細胞で、筋肉、骨、軟骨、脂肪など間葉系に属するさまざまな細胞に分化する能力や自己複製の能力を持ち、免疫抑制作用があることが知られている。また、増殖性が高い、拒絶反応が起こりにくいため他人に移植しやすい、羊膜は出産後不要となり倫理的にも問題となりにくい、といった特長があり、今回のプロジェクトでは、これを活用し、急性移植片対宿主病(急性GVHD)、およびクローン病を対象とした治験を、先端医療振興財団、兵庫医科大学、および北海道大学をはじめとした国内医療機関・研究機関と連携して実施し、細胞製剤(再生医療を活用した製剤)の製造販売承認を取得することを目標としている。

具体的な手順としては、細胞の調製および保存が可能な製造所を神戸国際ビジネスセンターに設置し、同センターにて羊膜由来MSCの大量培養・凍結保存技術(細胞バンク化技術)の確立を図った後、実際の治験を行い、2022年に羊膜由来MSCの細胞製剤の製造販売承認取得を目指すという。

なお同社では、今回の取り組みを皮切りに、羊膜由来MSCの細胞製剤をさまざまな難治性疾患の治療に展開し、2037年には1000億円規模の事業に成長させることを目指すとしている。