カゴメは7月22日、野菜ジュースの飲用により、メタボリックシンドロームの原因の1つである食後の血糖値の急激な上昇を抑えることを、動物試験で明らかにしたと発表した。

食後の血糖値の急激な上昇は、メタボの発症や進行に繋がる可能性があるため、メタボ予防・改善には食後の血糖値の上昇を穏やかにすることが大切である。

一方、野菜には、食物繊維やクエン酸などの血糖値の上昇を穏やかにする成分が含まれており、その摂取により効果を示すことが知られている。野菜ジュースにも食物繊維やクエン酸などが含まれることから、野菜を食べた場合と同様に、その飲用により血糖値の上昇を穏やかにする作用が期待できるが、その効果はこれまで検証されていなかった。

こうした背景より、同社は野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響について、動物実験で検証した。

具体的には、 ラットを16時間絶食させた後、野菜ジュースをデンプンと同時に摂取させる試験を行った。野菜ジュース群には、デンプン溶液(4g/10mL)と野菜ジュースをそれぞれ5mL/kg体重で同時に摂取させた。コントロール群には、デンプン溶液と、野菜ジュース相当の糖を含む糖液を同様に摂取させた。

摂取前(=0分)と摂取30、60、120分後に血液を採取し、血糖値の測定を行った。

その結果、野菜ジュース群の血糖値は摂取60分後にコントロール群よりも有意に低い値となり、血糖上昇曲線下面積(AUC)もコントロール群に比べて有意に低い値を示した。

これより、同社は食事と一緒に野菜ジュースを飲むことで、食後の血糖値上昇が穏やかになると考えられるとしている。

野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響(左:血糖値推移、右:AUC値)　資料:カゴメ

また、食事前の野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響の検証として、野菜ジュースをデンプン摂取と同時(0分前)もしくはデンプン摂取の10分前に摂取させ、血糖値の測定を行った。

野菜ジュースやデンプンの摂取量とコントロール群の設定は前述の試験と同様とした。

その結果、野菜ジュースをデンプンと同時に摂取させた際も10分前に摂取させた際もほぼ同様の血糖値推移を示し、60分後の血糖値がコントロール群よりも有意に低い値となった。

これより、同社は野菜ジュースを食事前に飲んでも食事と一緒に飲んでも、食後の血糖値の上昇が穏やかになると考えられるとしている。

食事前および食事中の野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響　資料:カゴメ

今回の結果は動物試験により得られたものになるため、同社は今後、ヒトが野菜ジュースを飲んだ時にも同様の効果が得られるかどうかの検証、寄与している成分、そのメカニズムの解明を進めていく。