スーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP(トップ)500」が発表され、中国・深セン国家スパコンセンターの「霊晟(れいせい)」がトップとなった。3連覇して同機に首位を譲った米国の「エルキャピタン」などと合わせ、毎秒100京回(京は1兆の1万倍)を意味する「エクサ級」のスパコンは5台に。理化学研究所の「富岳(ふがく)」は前回の7位から9位に後退した。理研は先月末、2030年頃に稼働する後継機の基本設計をまとめた。

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    TOP500で最速となった霊晟(深セン国家スパコンセンター提供)

TOP500は性能評価用プログラムの処理速度を年2回競うもの。ドイツ・ハンブルクで開かれた国際会議で日本時間23日に発表された最新版では、霊晟が毎秒219京8400兆回。2~4位を米国勢が占め、ドイツやイタリアが続いた。9位の富岳の速度は、44京2010兆回となっている。

中国は「神威太湖之光」が2016~17年に4連覇して以来の首位となった。スパコン開発では、中央演算処理装置(CPU)に加え、大量の計算を同時処理できる画像処理装置(GPU)を多数、組み合わせる構成が主流だ。米国による高性能GPUを含む先端半導体の対中輸出規制を背景に、霊晟は独自技術により、CPUのみで毎秒200京回の壁を初めて突破した。中国は近年、上位への新たなランクインがなく、TOP500への参加に対し消極姿勢に転じたとみられていた。

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    富岳(理化学研究所提供)

上位500台の内訳は米国が最多の161台。これに日本44台、ドイツ41台、中国31台、フランス21台が続いた。

日本は先代「京(けい)」が2011年に連覇した後、中国や米国に抜かれた。20年6月、富岳で8年半ぶりに首位となり、21年11月まで4連覇した。富岳は理研と富士通が共同開発し、理研計算科学研究センター(神戸市)の京の跡地に設置された。21年3月に本格稼働し、産学官による利用が進んでいる。

理研は昨年1月、富岳後継機の開発開始を発表した。コードネームは「富岳NEXT(ネクスト)」で、2030年頃に稼働する計画。実効性能を5~10倍以上に高めるほか、活用が急速に進むAI(人工知能)に必要な性能で世界最高水準を目指す。同センターの隣接地に設置する。富士通、米エヌビディア社との共同開発を決め、先月29日には基本設計技術報告書を公開した。

TOP500のランキング上位は次の通り(名称、設置組織、国、毎秒の計算速度)。

1位 霊晟 深セン国家スパコンセンター(中国)219京8400兆回
2位 エルキャピタン ローレンスリバモア国立研究所(米国)180京9000兆回
3位 フロンティア オークリッジ国立研究所(米国)135京3000兆回
4位 オーロラ アルゴンヌ国立研究所(米国)101京2000兆回
5位 ジュピターブースター ユーリッヒスパコンセンター(ドイツ)100京回

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