ユビキタスは5月10日、同社の無線LAN向けソリューション「Ubiquitous WPS」が、無線LAN製品の標準規格策定団体であるWi-Fi Allianceが定めるWPS(Wi-Fi Protected Setup)の最新規格である「WPS 2.0」に対応し、同日より評価版の提供を開始したことを発表した。

WPS 2.0は、相互接続性の向上を目的として、旧バージョンのWi-Fi認定デバイスとの相互接続性を確保しつつ、従来の仕様における曖昧な点の明確化や追加・改善がされたもので、すでに2010年12月にWi-Fi Allianceにて標準化が完了、ロゴ認定プログラムが開始されており、2011年6月以降に発売される機器でWPSに対応しWi-Fi Allianceのロゴ認定を取得する場合、対応が義務づけられている規格となっている。

「Ubiquitous WPS」は、SDK(ソフトウェア開発キット)として無線LAN機能の搭載を検討している企業向けに提供される評価版開発キットで、コードサイズが小さくながら高いパフォーマンスを実現できるため、システムリソースの少ない組込機器でも搭載が可能な製品となっている。

また、組込機器の開発において、どのようなOSであっても、開発者が容易に組み込みできるように設計されており、短期間で実装することが可能となっていると同社では説明している。

「Ubiquitous WPS」を用いることで無線LANを簡単に開発することが可能

なお同製品は、2011年6月までに製品としての出荷を開始する予定で、無線LAN機能の搭載を検討している企業に拡販を進めるとともに、無線LANモジュール製品など無線LAN関連ソリューションを展開している企業との協業による拡販を目指すとしており、無線LANモジュール展開においては、第1弾として、村田製作所との取り組みを進めているという。具体的には、村田製作所製の無線LANモジュール向けに、Wi-Fiドライバと「Ubiquitous WPS」が組み合わせて提供される予定としている。また、現在、米国BridgeCoのネットワークオーディオソリューションを採用するカスタマ向けのSDKに提供していた「Ubiquitous WPS」は、従来バージョンに引き続き提供が継続されるとしている。