東レフィルム加工(TAF)は4月18日、台湾に表面保護フィルムの製造・販売会社を設立することを決定したことを発表した。

具体的な方法としては2011年5月に台湾・高雄市に新会社「東麗尖端薄膜」を設立、自己粘着性表面保護フィルム「トレテック」の生産工場を新設する。新工場は2013年1月からの稼働開始予定で、同年夏までに生産能力を年1万7000トンに順次拡大する計画としている。

今回の決定は、東レグループ・フィルム事業にとって初めての台湾事業進出になるとともに、トレテックとしても初めての海外生産進出となる。

トレテックは、同社が開発したポリエチレン系の自己粘着性表面保護フィルムで、液晶ディスプレイ(LCD)をはじめとする各種光学用フィルムの製造時における工程紙をはじめ、プラスチック板の表面保護フィルムなどでも用いられている。

今回の台湾での生産決定は、近年のLCDバックライトのLED化の進展による、輝度向上フィルムや導光板向けを中心とした表面保護フィルムの需要がアジアを中心に拡大していることを受けたもの。台湾に決定したのは、導光板の生産で世界最大シェアを誇る同地の主力メーカーから現地生産進出の要請を受けたことのほか、台湾における法人税減税による企業優遇策、および台湾・中国間のECFA(両岸経済協力枠組協議)締結による輸出競争力向上などを勘案して決定したという。