日本SGIは、Intel Xeon 7500シリーズのプロセッサを搭載したスーパーコンピュータ(スパコン)「SGI Altix UV」を発表した。同製品は、同社スパコン「Altixシリーズ」の最上位の位置づけで、HPC分野をターゲットとしたものとなる。出荷は2010年6月からを予定している。

「SGI Altix UV」

Altix UVは、同社の従来の最上位機種「Atlix 4700」比で、CPUコア数およびグローバル共有メモリをそれぞれ2倍、ノード間転送速度も2倍以上に高性能化されている。CPUコア数は、シングル・システム・イメージで最大2,048コア、処理能力は最大18.5TFlopsを達成。アーキテクチャ上の最大構成では26万2,144コアまで拡張可能だ。

また、SGI独自の共有メモリ技術「NUMAflexアーキテクチャ」を使用したグローバル共有メモリにより、シングル・システム・イメージで従来の8TBから16TBに拡張されたほか、ノード間接続技術もSGI独自の「NUMAlinkインターコネクト」が第5世代へと進化、転送速度が既存の6.4GBpsから15GBpsへと引き上げられている。

さらに、通信専用エンジンである「MPIオフロード・エンジン」を新たに搭載。ノード間通信時のオーバーヘッドの軽減などによる通信効率の向上を実現している。

加えて、ハードウェアプラットフォームは、4/6/8コアのXeon 7500シリーズを搭載可能だ。OSは、「SUSE Linux Enterprise Server」または「Red Hat Enterprise Linux」が選択可能で、x86アーキテクチャとLinuxを搭載することで、カスタマが独自に開発したカスタムコードの実行に対応するだけではなく、市販の多種多様なx86アプリケーションの利用も可能となる。

なお、Altix UVはブレード製品で、大規模システム向けの「Altix UV 1000」および中・小規模システム向けの「Altix UV 100」の2モデルで構成される。Altix UV 1000は、シングル・システム・イメージで最大2,048コア、共有メモリは16TBまで拡張可能で、Altix UV 100は、最大CPUコア数が768コア、共有メモリは最大で6TBとなっている。両製品とも、4/6/8コアのXeon 7500シリーズを1台のブレードあたり1個または2個搭載可能となっている。