日本SGIは12月1日、デスクサイド型のパーソナル・スーパーコンピュータ「SGI OctaneIII(オクテイン・スリー)」の販売を開始したことを発表した。価格は基本構成のIntel Xeon L5520×2ソケット、12GBメモリ、80GB SSDを搭載したブレードを2台搭載したGbEクラスタ構成で199万7,000円(税別)からとなっており、2010年1月より出荷を開始する予定。年間で500システムの販売を目指す。

デスクサイドにおけるスーパーコンピュータ「SGI OctaneIII」

SGI Octane IIIは、67.31cm×71.63cm×31.75cmの筐体にIntel Xeonプロセッサ5500番台を最大80コアおよび約1TBのメモリを搭載可能なパーソナル・スーパーコンピュータ。標準的なオフィス電源で稼動し、SGI独自の配電テクノロジー「Power XE」により省電力を実現することが可能。また動作音も低く抑えられているため、オフィスへの導入が最適なシステムとなっている。

さらにグラフィックスオプションを追加することで、Intel Xeonプロセッサ5500番台を搭載したノード2台と NVIDIAグラフィックス・カード、GPGPUカードを組み合わせた最大16コアのグラフィックス・ワークステーションとして、複数のディスプレイと連携するような高度なビジュアルコンピューティング環境も実現できる。

加えて、Intel ATOMプロセッサを最大38コアまで搭載可能な、低消費電力オプションも選択可能だ。

Octane IIIは、流体解析、量子力学、分子動力学、地震データ処理、データ解析、レンダリング、可視化、CADなどに用いられる主要なアプリケーションにすでに対応しており、日本SGIでは、これまで大規模なクラスタの導入が進まなかった中・小規模の技術開発を行う企業や大学、研究機関の個別部門などの科学計算、研究開発、ビジュアライゼーション用途として販売していく計画としている。

またOSとして「Novell SUSE Linux Enterprise Server」および「Red Hat Enterprise Linux」に加え、日本SGIとしては初めて「Microsoft Windows HPC Server 2008」を採用。これにより、Windows環境でスーパーコンピュータを扱うことがができるようになる。