もともとキーウォーカーでは、2002年8月から、意味ネットワークによる次世代検索エンジンの開発に着手してきた経緯がある。

約20万語のボキャブラリを持つ「意味ネットワーク」を構築し、「ロックバンド」と入力した場合に、ロックバンドという言葉が書かれたサイトだけを検索するのではなく、「ローリングストーンズ」や「クイーン」などのバンド名までを認識する仕組みを提供。さらに、「シチュエーション分析」として文章の意味を分析する機能を開発し、「ジャガー」といった入力した際に、自動車メーカーなのか、ミシンメーカーなのか、動物なのか、プロレスラーの個人名なのかといった点を判断できるようにしたほか、「嗜好分析」として、利用者が入力するキーワードを学習して、住居の場所や性別、趣味などを背景にして、より的確な情報に辿りつきやすくする、自然文解析技術を開発することに成功している。

キーウォーカーが開発した「意味ネットワーク」「シチュエーション分析」「嗜好分析」技術を概念化した図。情報量が増大化を続ける中、「手動でインデックス化するのはすでに限界に達している」と真瀬氏は語る

これらの技術は、「Blog Sphere for Research」として製品化しており、広告代理店やマーケテイング会社、自動車メーカーや家電メーカーなどが、ブログ記事の解析などに利用しているほか、ニフティのオンラインブログ分析サービス「BuzzSeeQer」(現在はNifty Buzz Marketing solutionに統合)にも採用。これまでに約20ユーザーに導入した実績を持つ。

同製品では、対象とされる言葉や関連する言葉が書かれたブログの記事の文脈を解析し、ブログを書いたユーザーの地域、年齢、性別、趣味などの属性を分析することが可能であるほか、ブログの文章から、「好感度」「欲しいもの」「視聴メディア」なども導き出すことができる。

新製品を投入した場合に、製品名を入れるだけで、その評価がどんな年齢層や性別、地域の人たちから、どんな風に支持されているのか否か、といったことも傾向を分析して、円グラフで分類表示できる。

テキスト(単語)を入力することでブロガーの嗜好を可視化する「Blog Sphere for Research」は、広告代理店などからの引き合いが多いという