キーウォーカーは、同技術を応用した次世代型検索エンジン「Keywalker検索」を開発、18日に同α版を公開した。

同社は、2001年4月の設立当初から、社長の真瀬正義氏を中心に、日本発の自然文意味解析技術の開発に着手。2003年からは、社内にプロジェクトチームを設置し、独自開発の検索エンジンの実用化に向けて取り組んできた経緯がある。

今回発表した「Keywalker検索」は、同社が開発した「自然文意味解析技術」と、同様に同社が取り組んできた、個人の嗜好を検索履歴から分析する「リコメンド(推薦)エンジン技術」とを組み合わせたもので、「次世代型検索エンジンのプロトタイプになる」(真瀬社長)としている。

この2つの技術を応用することで、これまでの検索エンジンでは導き出せなかった、より個人の嗜好にあわせた検索結果を導き出せるという。

従来の検索エンジンでは、入力した「キーワード」によって検索し、リンク先を表示するが、Keywalker検索では、入力された言葉とWeb上に掲載されている言葉を、意味解析により関連付け、ユーザの検索意図を理解。その「答え」となる情報を整理し、個人の嗜好にあったものを表示できるというもの。

たとえば、「イチロー」で検索すると、関連するサイトのURLのほか、Webやブログの情報から、イチロー選手の出身地や誕生日、所属チーム、成績などのプロフィール情報を導き出して一覧表示したり、イチロー選手の評判なども表示できる。

「Keywalker検索」で"イチロー"と入力すると…

検索結果がずらりと出てくるが、トップに表示されている「イチロー判定」の「人」をクリックすると…

イチローに関するさまざまなデータや情報元、リンク先が表示される

また、「カレー」と入力した場合には、店舗や、味、種類、地名といったカテゴリーごとに項目を集約し、表示することができる。検索項目に、「foods;」を入力し、飲食物の名前や、特定の飲食店名を入れると、検索した上位999件のサイトのなかから、「美味しい」「甘い」などの用語などが使われたサイトが何件あるのか、といったことも表示することが可能だ。

真瀬社長は、「理想の検索エンジンとは、単なるURLリストではなく、ユーザの検索意図を理解し、個人にあった答えを導くことができるものと考え、開発した。来年度以降、検索サイトでの採用を目指し、検索そのものの使い方を変えたい」としている。同社では、今後、α版に対するユーザからの反応をもとに、次世代型検索エンジンとして完成度を高めていく考えだ。

なお、同社では、入力したキーワードに対するブロガーの評価を解析できる「クチコミ評判解析」の試験バージョンを、2007年9月から公開している。これは、数多くのブログに掲載されている内容から、ポジティブおよびネガティブ評価をそれぞれ集計できるもの。この分析にも、同社の自然文意味解析技術が利用されている。

「レクサス」でクチコミ評価解析してみたところ