テキスト&画像関連の新機能

エディトリアルデザインの下準備で、あると重宝するのがコンタクトシートの作成機能だ。今回のバージョンアップでは、「Adobe Bridge CS4」でもコンタクトシートが作成できるようになったが、Adobe InDesign CS4にもコンタクトシート作成に便利な機能が搭載された。

複数の画像を配置する際に、Command+Shiftキーを併用すると複数の画像フレームを作成できる

矢印キーを併用すれば、ページ内に配置する画像フレームの数も変更できる。コンタクトシート作成や複数画像のは一次に便利な機能だ

また、Adobe Illustrator CS4の新機能である「複数のアートボード」機能に連携して、Adobe InDesign CS4ではドキュメント読み込み時のオプションが拡張されている。

Adobe Illustrator CS4に新搭載された複数のアートボード機能を利用したAIファイルは、画像配置時に「読み込みオプション」をチェックして開けばアートボードごとに画像を配置できる

そして、画像配置時の手間を省略するのが「グラフィックの固定配置」機能。これはグラフィック配置アイコンをドラッグしてフレームを作成すると、画像と同じ縦横比でフレームが作成されるというもの。配置画像がフレームに自動的にフィットし、フレーム作成中は画像比率が表示されるため、レイアウトデザイン時の手間が省略できる。先に紹介したスマートガイドと併用すれば、多数の画像を扱うエディトリアルデザインで大いに役立ちそうだ。

あらかじめ拡大縮小率を20%にして配置した左画像に合わせて、右画像を配置。Adobe InDesign CS4では、画像配置アイコンのまま画像フレームを作成すれば同率で画像を配置できる。あらかじめ画像フレームを用意する必要はなく、スマートガイドも表示されるので画像配置時の手間が省略されている

テキスト関連機能は、細かな修正・機能強化が中心となっている。そのため、バージョンアップ時に気になるテキストの扱いも変更はなく、アップグレード後も旧バージョンのデータをそのまま引き継いで開くことが可能だ。
文字組関連の新機能としては、「条件テキスト」が挙げられる。これはたとえばソフトウェアマニュアルなどを作成する場合、Macintosh用とWindows用に異なる条件を作成し、「Altキー」の表記を「Optionキー」に変更するといった作業を自動化する機能だ。条件テキスト作成にはタグ付けなどのスキルが必要になるため、使いこなすには時間が掛かりそうだ。なお、新旧の文字組みセットを比較して相違点を表示したり、テキストをアウトライン化することなく線パネルで角オプションが適用できるようになど、細かな機能のブラッシュアップも図られている。
また、表作成機能とストーリーエディタが連携し、表の内容を簡単に修正できるようになっている。表組みには注釈機能も搭載され、グループワークに役立つ。

「書式と表」メニューに加わった条件テキスト。使いこなすには時間が掛かりそうだが、マニュアル制作などに便利な機能だ

表組みのテキストをストーリーエディタで編集できる。セル毎に分割されて行が生成されるため、複雑な表だとかなり長いエディタが表示されることになる

表組みに注釈が付けられるようになった。これもストーリーエディタ上で入力する。注釈が付いた表組みのテキスト部分にはオレンジの▲マークが付く

後編では、「Adobe Flash CS4」との連携などについて紹介していく。