最後に、中国で最も活躍しているエンジェルたちが、いま最も重視している投資領域はなにかをみてみよう。

雷軍氏「中国経済は急速に成長している。消費市場と投資市場がともに拡大している。あらゆるところに投資の機会があるが、わたし自身は、ワイヤレス通信とインターネット関連ビジネスに関心を持っている」

楊寧氏「携帯電話でインターネットにアクセスする時代が、中国でもまもなくやってくる。目下最大の投資対象は、間違いなく携帯電話インターネット分野である」

劉暁松氏「多くのプロジェクトを見てきたが、現在最も重要な投資分野は、インターネット分野であると確信している」

張向寧氏「携帯電話とインターネット分野におけるプロフィットモデルが大幅に改善されている今、携帯電話サービスとインターネットこそが最も価値ある投資分野だ」

銭永強氏「教育、ワイヤレス、インターネットの三分野には依然として良い投資機会がある。私はこの三つの分野しかわからないから、ここだけに注目している」

一方、中国国内におけるエンジェル投資には、補助政策と税収政策の欠如、保護不十分など問題点も指摘されている。また信用体系の未整備も「エンジェルをまどわせる」(張醒生氏)元となっているといわれる。成功を収めた企業家がさらに一歩先のレベルへと進み、中国全体の投資環境を引き上げるためにも、今後は法律法規の整備などを通じ、透明度を高めていくことが求められている。

※1: ネへんに韋
※2: 丹へんに彡