• Amazon「Alexa+(アレクサプラス)」の日本上陸、我々の生活はどう変わる?

Amazonが、日本でも次世代パーソナルアシスタントのサービス「Alexa+(アレクサプラス)」を開始した。米国では2025年3月に早期アクセスを開始、ほぼ1年かけて2026年2月に全米のすべてのユーザーに向けた正式サービスをスタートさせていたので、日本でもサービスインが待たれていた。日本でもまずは「早期アクセス」という形でスタートし、パフォーマンスのことや、ユーザーのニーズなどに的確に応えながら五月雨式に提供範囲を広げていくという。

過去におけるAlexaをパーソナルアシスタントサービスと呼ぶにはちょっとおこがましいくらいだと考えるユーザーも少なくないかもしれない。Amazon Echoなど、スマートデバイスを使うデジタルアシスタントとして、持ち主の声でさまざまな会話ができ、特別なスキルを身につけさせることで、用途が広がっていくという触れ込みだったが、実際には、天気をきいたり、スパゲティをゆでるときやカップラーメンを作るときの時間を計るタイマー、あるいは毎日の目覚まし程度のことしか頼れなかった。それでも、すごく役にたってくれたし、これで十分だと思っているユーザーも少なくなかった。Echoデバイスを購入すれば無料で使えるアシスタントだから過度な期待をしなければ、それなりに役に立ってはいたのだ。

でも、新しいAlexa+は、もっともっと有用なアシスタントとして機能する、とAmazonはいう。生成AI(大規模言語モデル)を基盤に一新されたことで、従来の「決まったコマンドに反応する音声アシスタント」から「文脈を理解して自律的に動くAIエージェント」へと進化しているのだそうだ。ただし早期アクセスサービスの終了後は月額3,000円の有料サービスとなる。この金額を月額ベースで支払うにはかなり勇気がいりそうだ。でも安心してほしい。Amazonプライムのメンバーであれば、そのサービスにAlexa+が含まれ、実質無料で利用できるという。送料が無料になる配送特典や、映画やドラマの見放題配信が楽しめたり、容量無制限で写真を保存できるAmazon Photosなど、さまざまなプライム特典がこれまで提供されてきたが、今回新たにAlexa+が加わる。

  • 新規発売のEcho Time(上段)と、さらに進化したEcho Dot(下段)。新たにAlexa+のために設計された

    新規発売のEcho Time(上段)と、さらに進化したEcho Dot(下段)。新たにAlexa+のために設計された

日本のAmazonプライム料金は月額プラン600円、年額プラン5,900円だ。この金額を負担すれば、他のプライム特典と同様に料金を気にせずAlexa+を使えるようになる。逆の言い方をするとAlexa+のほぼ2カ月分の料金で1年間プライム会員になってあらゆるサービスを利用できるようになるということだ。なんだかキツネにつままれたような料金設定で、ちょっとした議論はありそうだが、うまい囲い込みの作戦だと思って受け入れよう。ちなみに、日本のAmazonプライムサービスは米国と比べても格安だ。同様にAlexa+が含まれるようになった米国のプライムサービスは、月額プラン14.99ドル、年額プラン139ドルだ。

Alexa+のいいところは、会話のきっかけとなる最初の呼びかけだけは、「Alexa」とウェイクワードで起こす必要があるが、人間相手のように自然に話を続ければ文脈を踏まえてくれる。さらに自宅の各端末と、スマホのAlexaアプリ、そして、PCのブラウザで開くalexa.jpと、さまざまなデバイス、場面でシームレスに会話を続けることができる。

ドキュメントや画像の読み込み・記憶にも対応している。家電の取扱説明書(PDF)や、手書きのレシピ、案内プリントの写真などをアプリや専用メールアドレス経由で渡しておくと、その内容を記憶して質問に答えたり、あらかじめリンクしたカレンダーアプリに予定を登録したりしてくれる。また、家族の好みや記念日、食事制限なども記憶して以降の提案に反映するという。

さらに、単なる調べものだけでなく、複数のステップを伴う手続きも代行する。日本国内向けには、「食べログ」と連携した飲食店の検索・予約や、「Uber Eats」「出前館」を使った料理・日用品のデリバリー注文などを引き受ける。少なくともデモンストレーションで見る限りは役に立ちそうな機能だ。ChatGPTやClaude、Geminiなど著名なチャットサービスと同等、あるいは、それ以上のことができるようになると期待してよさそうだ。

ちなみに、既存のEchoデバイスのうち、一部の旧世代Echoデバイス(例: Echo Dot 第1世代、Echo Show 第1世代)を除く、ほとんどのEchoデバイスや対応するFire TVデバイスでそのままAlexa+を利用することができる。

  • 定型アクションを使って複数のタスクを順に処理して家電をコントロールするなどもおまかせ

    定型アクションを使って複数のタスクを順に処理して家電をコントロールするなどもおまかせ

  • Alexa+は、既存端末のほとんどに対応できる

    Alexa+は、既存端末のほとんどに対応できる

また、新しくなったAlexaがどんなものか試してみたいなら、早期アクセスを利用してみよう。当面は無料で機能を試すことができる。日本の早期アクセスは終了日を具体的に明示していないが米国での実績は11か月間だった。専用サイトから早期アクセスに申し込むか、対応デバイスのオーナーアカウントには、順次、メールで案内が届くので、そのタイミングで手元のEchoなどに「Alexa、今すぐはじめよう!」と話しかけると、早期アクセスでAlexa+を使い始めることができる。手元の環境にもメールが届き、既存のEchoを移行させることができた。まだ少しぎくしゃくしているが、そのうち進化するのだろう。楽しみだ。ぜひ、試してみてほしい。