フォトマスク

2021年のフォトマスク市場は56億ドル規模で、先端プロセスからレガシープロセスまで幅広く需要が増加した。また、EUVマスクについては、ロジックに続きDRAMでも用いられるようになったことで市場が拡大されることとなった。2022年以降も、半導体の需要増に伴い、成長が期待されており、中でも位相シフトマスクやバイナリマスク、EUVマスクなどが伸びると見られるとする。その結果、2026年には2021年比39.3%増の78億ドルまで市場が拡大すると予想されるとしている。

フォトレジスト

2021年のフォトレジスト市場は19億ドル規模で、g線・i線、KrF、ArF、EUVのすべてで需要が増加し、中でもEUVレジストが伸びたという。2022年以降は、先端プロセスがArF液浸からEUVへとシフトすることで、EUVレジスト市場が大きく拡大することが予想されるほか、中長期的にはロジック、メモリともに中間配線層のKrFからArFへの切り替えが進むと予想され、そうした動きの結果、2026年には同58%増の30億ドルまで成長すると予想している。

シランガス

半導体・FPD/太陽電池製造工程でシリコン酸化膜形成に必須のシラン系ガス(モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、テトラエトシキシラン(Si(OC2H5)4=TEOS)の2021年の市場規模は7億ドルだったが、2026年には同71%増の12億ドルに成長する見込みとしている。

2022年以降については、モノシランが巣ごもり需要で伸びたFPD向けが落ち着くとみられるが、DX、次世代通信、太陽光発電の導入が進むことから拡大が予想されるほか、ジシランもメモリや14nm未満のロジック半導体の需要増や、微細化に伴うトランジスタの構造変化などによって堅調に拡大するとみられるとしている。

またTEOSは、FPD製造工程ではLTPSパネルで使用されるにとどまるが、半導体ではDXや次世代通信の普及進展による継続的な増加に加えて、3D NANDの高層化によるチップあたりの絶縁膜が増加することから、市場拡大が予想されている。

高純度洗浄液

半導体製造における洗浄工程で用いられる高純度薬液である過酸化水素水(H2O<旺盛な半導体需要を背景に、ウエハ投入枚数が増加したことに加えsub>2)、アンモニア水(NH4OH)、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、フッ化水素酸(HF)、リン酸(H3PO4)、硝酸(NHO3)などの2021年に市場規模は29億ドル。半導体の需要増に伴うウェハ投入枚数の増加や、微細化や回路パターンの高密度化、配線の多層化などが背景にあるという。

2022年以降も2021年比で伸びは鈍化するものの、5GやEVの普及、データ通信量の増加などが後押しで成長が継続。2026年には同21%増の35億ドルに達する見込みだとしている。

CMPスラリ

2021年のCMP研磨用スラリ市場規模は14億ドルほどで、プロセス別では、3D NANDの高層化でWプラグ用やILD用が好調なほか、DRAMのCu配線工程の増加が後押ししたという。また、バルク材ではCoなどの新材料の採用が増加し、一部の製品では高付加価値化が進んだことも成長を後押したとする。

2022年も旺盛な半導体需要が継続すると見られているが、その阻害要因として、チップの小型化による配線層の薄膜化やCoバルクの採用増加によるバリアメタルの需要減少などを挙げている。ただし、今後も微細化や高層化の進展によりCMPの工程数は増加するとみられ、2026年には同29%増の18億ドルに達する見込みとしている。