独Merckで半導体・ディスプレイ向け多種類素材中心に電子素材事業を手掛けるMerck Electronicsが、革新的な半導体材料とディスプレイ材料に対する世界的な需要増に伴う成長機会の獲得を目標に、2025年末までに30億ユーロ以上の大規模な投資を行うことを明らかにした。

このうち、約6億ユーロが韓国での電子分野の事業拡大に投じられる予定で、10月8日には韓国通商産業資源部長官の文勝煜氏が、訪韓中のMerck Electronics代表のKai Beckmann氏と会談を行ったと韓国通商産業資源部が報じている。

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    会談を行う韓国通商産業資源部の文勝煜長官(左)とMerck ElectronicsのKai Beckmann代表(右) (出所:韓国通商産業資源部フォトニュース)

韓国政府によると、Merckは1989年に韓国への投資を開始して以来、現在までに京畿道平沢・安城・鞍山、仁川、蔚山など計11の生産・研究施設に約1400人を雇用してきたという。

文勝煜長官は「今回のMerckの韓国投資は『K-半導体戦略』推進のための半導体サプライチェーンの強化をもたらし、半導体産業のエコシステム構築の助けとなる。Merckも韓国の顧客企業との安定したビジネス関係を構築できるため、Win-Winの関係を構築できると考えている。韓国政府として、補助金支給、税制優遇などさまざまなインセンティブを供与してMerckの韓国でのビジネスを支援していく」と述べている。

韓国政府は、日本企業や欧米企業に対して韓国内での事業に向けた誘致活動を展開しており、これまでにもDopontがEUVレジストとCMPパッド製造工場を韓国天安市に建設することを明らかにしているほか、米MEMC(台GlobalWafers傘下のシリコンウェハメーカー)も天安市内に300mmシリコンウェハ製造(結晶引き上げ・加工)第2工場を建設するといった動きがでてきている。